1999 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス廃棄物による水圏中の鉛,ヒ素の回収・浄化技術の開発
Project/Area Number |
11680577
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
馬場 由成 宮崎大学, 工学部, 教授 (20039291)
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Keywords | アルギン酸 / ペクチン酸 / キトサン / 重金属 / 鉛 / ヒ素 |
Research Abstract |
本研究は、現在その大半が生ゴミとして廃棄されているカルボン酸を有するペクチン酸やアルギン酸およびアミノ基を有するキトサンなどの天然多糖類を母体とする吸着剤の合成と、それを利用した鉛およびヒ素の分離回収に関する研究である。これらの多糖類は酸性水溶液あるいはアルカリ水溶液に溶解するため、その利用が大きく制約されている。 本年度はまずその基礎研究として、これらがヒ素や鉛の溶け込んだ水溶液に溶けないようにそれらの架橋法を検討した。従来の架橋方法は、水溶液や有機溶媒中で架橋されたいたために大量の架橋した吸着剤を合成することが非常に困難であった。このことが、これらの天然多糖類が優れた金属補集能力を有しているにも関わらず、今まで工業的に利用されなかった大きな理由であった。今回、本研究で見い出した方法は、今までの方法とは全く異なった架橋方法であり、架橋された天然多糖類が一度に大量合成できる特徴を有している(特許申請中)。このようにして架橋されたアルギン酸、ペクチン酸およびキトサン(以後、樹脂と呼ぶ)を用いて、各種金属イオンの選択性、吸着容量などの吸着特性を検討した。その結果、本研究で合成したアルギン酸およびペクチン酸樹脂が、鉛および鉄に対して高い選択性(鉛>鉄)を有すること、およびチオ尿素基を有したキトサン樹脂が銅に対して高い選択性(鉛>鉄)を有することなどを見い出した。ヒ素については、現在、新規なアルギン酸を母体とした新たな吸着剤を合成し、3価のヒ素と5価のヒ素について検討中である。
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