1999 Fiscal Year Annual Research Report
凝集剤とタンパク質を併用した汚濁水の連続式空気分散型・泡沫分離処理
Project/Area Number |
11680578
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
丸山 俊朗 宮崎大学, 工学部, 教授 (70041895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 祥広 宮崎大学, 工学部, 助手 (90264366)
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Keywords | 泡沫分散法 / タンパク質 / 凝集剤 / 生物処理 / 固液分離 |
Research Abstract |
広く採用されている下水処理法は生物処理法である。下水の水量と水質は変動し、安定な処理水を得ることは困難である。生物処理前に下水中の懸濁態BOD発現物質を短時間に安定して除去できれば、後続する生物処理は溶解性BOD発現物質を処理すればよいので、処理水の水質が安定し、しかも処理時間が短くなるはずである。 懸濁物除去に、宮崎市木花下水処理場の最初沈殿池越流水を減水として、これまでに開発してきた凝集・泡沫分離法を適用した。すらわち凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)を、タンパク質として乳酸カゼインを用いて回分式泡沫分離処理を行い、操作条件と注薬条件を決定した。至適操作条件としての凝集所要時間は3分、カゼイン添加後攪拌時間は30秒、泡沫分離時間は5分であった。至適注薬条件としてのPACカゼインの添加はそれぞれ3mg/lと10mg/lであった。 続いて、泡沫分離プロセスにろ過(生物処理兼固液分離)プロセスを後続させて、「連続空気分散型・泡沫分離ーろ過システム」を構築した。ろ過(生物処理兼固液分離)プロセスとは、ろ材として中空円筒形波状型のものを用い、これは固液分離の役割も果たす。最初に連続泡沫分離プロセスの至適処理条件を求めた。至適平均滞留時間(処理時間)は60分、PAC添加量は20mg/l、ガゼイン添加量は10mg/lが得られた。ろ過プロセスを後続させて、その滞留時間を2時間とした。全処理時間は2時間6分である。35日間の連続運転の結果は次ぎようであった。除去率(処理水濃度)はSSでは90.3%(6.5mg/l)、BODでは83.9%(15.9mg/l)、TPでは92.0%(0.68mg/l)、TNでは36.2%(22.3mg/l)、LASでは94.0%(0.5mg/l)、大腸菌群数では99.7%(2.4×10^3個/ml)。したがって、本システムは高級処理と同程度の処理が可能であることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 鈴木祥広,丸山俊朗: "タンパク質溶液の泡沫生成に及ぼすpHならびに共存物質の影響"水環境学会誌. 23(2). 108-115 (2000)
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[Publications] 鈴木祥広,丸山俊朗: "タンパク質溶液の泡沫生成能(泡立ち)を評価する一試験法"水環境学会誌. 23(2). 122-125 (2000)
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[Publications] 鈴木祥広,丸山俊朗,佐藤大輔他: "関鎖循環式泡沫分離・削代システムを用いたシラメ飼育における飼育水水質および物質収支"日本水産学会誌. 66(1)). 1-9 (2000)
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[Publications] 丸山俊朗,鈴木祥広他: "泡沫分離・削代システムによるヒラメの関鎖循環式高密度飼育"日本水産学会誌. 65(5). 818-825 (1999)
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[Publications] 丸山俊朗,鈴木祥広: "養魚場からの栄養塩負荷と関鎖循環式養殖への展望"海洋開発論文集. 15. i-xiv (1999)
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[Publications] 丸山俊朗,鈴木祥広: "泡沫分離・削化脱室システムによるウサギの関鎖循環式高密度飼育"水環境学会誌. 22(11). 896-903 (1999)
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[Publications] 丸山俊朗(日野・丸山・黒含編): "水産養殖とゼロエミッション研究"恒星社厚生閣. 140(9-24) (1999)
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[Publications] 鈴木祥広・丸山俊朗(能登谷編): "アサオの利用を環境修復"成山堂書店. 172(76-94) (1999)