1999 Fiscal Year Annual Research Report
DNA二本鎖情報を増幅変換するナフタレンジイミド誘導体に関する研究
Project/Area Number |
11680590
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹中 繁織 九州大学, 工学研究科, 助教授 (60188208)
|
Keywords | 縫い込み型インターカレーター / ビオチン / アビジン / アルカリフォスファターゼ / 化学発光 / 2本鎖DNA |
Research Abstract |
特定遺伝子の迅速・高感度検出法の開発は、遺伝子治療や遺伝子診断の観点からますます重要になってきている。本研究では縫い込み型インターカレーターの二本鎖または一本鎖DNAに対する高い識別能を利用した迅速な高感度遺伝子検出法の開発を試みた。具体的には縫い込み型インターカレーターとしての性質を示すナフタレンジイミドの両置換基末端にビオチンを導入したビオチン化ナフタレンジイミドの合成を試みた。この分子は、二本鎖DNAへ縫い込み型インターカレートすることによりビオチン部を主溝と副溝に位置させることができる。これにアビジンを結合させることによりこの部位の二本鎖解離は不可能となる。更に、ビオチン化アルカリフォスファターゼを連結させることにより従来の化学発光型DNA検出法へ適応できる。ビオチンの有機溶媒への溶解度の低のため、合成段階で苦心したが、反応溶媒の選択、反応温度・時間の最適化などによって目的化合物の合成に成功した。更にDNA二本鎖を用いて会合・解離挙動の検討を行なった。その結果、ビオチン化ナフタレンジイミドは二本鎖からの解離が極めて遅く、アビジンを添加した条件では解離は観測されなかった。一方、ビオチン化ナフタレンジイミドは一本鎖から容易に解離し、アビジン添加によって核酸への結合は観察されなかった。現在のところ検出感度に関しては検討を十分行なっていないが、従来のシステムに匹敵する感度は得られている。
|
-
[Publications] S.Takenaka,M.Takagi: "Threading Intercalators as new DNA structural probe"Bull.Chem.Soc.Jpn. 72. 327-337 (1999)
-
[Publications] 竹中 繁織: "核酸及び遺伝子の新しい分析プローブとしての縫い込み型インターカレーター"BUNSEKI KAGAKU. 48・12. 1095-1105 (1999)
-
[Publications] K.Yamashita,S.Takenaka,M.Takagi: "Highly sensitive detection of target gene by electrochemical method"Nucl.Acids Symp.Ser.. 42. 185-186 (1999)