1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680592
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
飯尾 英夫 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80145771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春本 晃江 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (80198936)
臼杵 克之助 大阪市立大学, 理学部, 講師 (30244651)
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Keywords | 繊毛虫の接合 / ブレファリズモン / ブレファルモン / 糖タンパク質 / コンカナバリンA / カルシウムイオン / アスパラギンN-結合型 |
Research Abstract |
繊毛虫の接合に関わる研究は,繊毛虫の接合機構を化学的,生物学的に明らかにするのを直接の目的としているが,同時にいくつかの未解明な生物学上の問題を明らかにしようとするもので,ブレファリズマの接合について次の5つの視点から研究を行っている。1.細胞の化学的シグナル受容機構の研究;2.細胞間結合の形成機構の研究;3.減数分裂開始機構の研究;4.生殖質から体質(soma)が分化する機構の研究;5.細胞分化機構の研究 ブレファリズモン受容体探索プローブの合成研究 我々は,リンゴ酸を利用しStille反応を鍵反応とする,光学活性ブレファリズモンの実用的な新規合成法を完成している。この合成中間体を利用して,ブレファリズモン受容体探索プローブとしての光親和標識体の合成について検討した。 ブレファルモンの構造研究 ブレファルモンは,3個のグルコサミンと3個のマンノースの糖組成を持つ糖タンパク質であることが明らかになっている。この組成から,糖鎖はアスパラギンN-結合型と想定し,レクチンクロマトグラフィによる親和性を検討した。その結果,コンカナバリンA(Con A)にのみ親和性があること,およびN-結合型糖鎖の生合成過程を考慮し,糖鎖構造は(GlcNAcβ1->2Man α1->3),(Man α1->6)Man β1->4GlcNAcβ1->4GlcNAcβ1->Asnと推定した。現在,ブレファルモンのアミノ酸配列について検討している. 接合におけるカルシウムイオンの必要性 ブレファリズモンはヒドロキシカルボン酸のカルシウム塩として単離されている。接合におけるカルシウムイオンの必要性を検討した結果,カルシウムイオンのない条件下では4分の1の接合活性にとどまった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M. E. Masaki, T. Harumoto, M. N. Terazima, A. Miyake, Y. Usuki, and H. Iio,: "Climacostol, A Defense Toxin of the Heterotrich Ciliate Climacostomum virens against Predators"Tetrahedron Lett.. 40. 8227-8229 (1999)
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[Publications] M. N. Terazima, H. Iio, and T. Harumoto,: "Toxic and phototoxic properties of the protozoan pigments blepharismin and oxyblepharismin"Photochem. Photobiol.. 69. 47-54 (1999)