1999 Fiscal Year Annual Research Report
DNA切断活性を持つ新規ビチアゾール・アミノ酸複合体の設計と合成研究
Project/Area Number |
11680595
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
佐々木 秀明 神戸学院大学, 薬学部, 助教授 (30122245)
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Keywords | DNA / DNA切断反応 / チアゾール / ビチアゾール / α-アミノ酸 / コバルトイオン / コバルト錯体 |
Research Abstract |
本年度は、新規ビチアゾール・アミノ酸複合体の設計と合成を行うと共に得られる複合体の特性を評価し、構造とDNA切断活性との関連性を明らかにすることを目的に実験を行い、以下の成果が得られた。 1基本骨格である2,2'-bis(2-aminoethyl)-4,4'-bithiazoleの側鎖アミノ基へ導入する塩基性α-アミノ酸として2,3-diaminopropanoic acid、2,4-diaminobutanoic acid、オルニチン、リジン、アルギニン、及びヒスチジンを選択し、それぞれのアミノ酸が1、2分子置換した新規ビチアゾール・アミノ酸複合体を12種、複合体の部分構造を持つ関連化合物6種と共に合成し、現有の各種分析機器により構造を決定した。 2得られた新規ビチアゾール・アミノ酸複合体のDNA切断活性を、各種金属イオン存在下pBR322 plasmid DNAを用いるDNA切断活性測定系で評価したところ、以下の結果が得られた。 1)DNA切断活性の発現にはコバルト(II)イオンの存在が必須であること。 2)DNA切断活性が中性から弱塩基性領域で強力であるというpH依存性があること。 3)pH8、37℃の条件下、DNA切断活性は2,3-diaminopropanoic acid複合体で最も強いこと。 4)ビチアゾール・ジアミノアルカン酸複合体では、リジン複合体を除き一置換体より二置換体でDNA切断活性が強いこと。 5)関連化合物にはDNA切断活性が認められないことから、DNA切断活性にはビチアゾール・アミノ酸複合体構造が必須であること。 3得られた新規ビチアゾール・アミノ酸複合体のコバルト錯体の構造を主要設備として申請した紫外可視分光光度計を用いて解析したところ、1:1錯体を生成していることが分かった。
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