2000 Fiscal Year Annual Research Report
DNA切断活性を持つ新規ビチアゾール・アミノ酸複合体の設計と合成研究
Project/Area Number |
11680595
|
Research Institution | KOBE-GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐々木 秀明 神戸学院大学, 薬学部, 助教授 (30122245)
|
Keywords | DNA切断反応 / ビチアゾール / アミノ酸 / DNA / コバルト / チアゾール / コバルト錯体 |
Research Abstract |
本年度は、ブレオマイシンのDNA認識部位の一部である2,4'-ビチアゾール残基を持つ4,4'-ビチアゾール誘導体を合成し、DNA切断活性を検討すると共に、前年度合成したビチアゾール・アミノ酸複合体のDNAとの親和性を評価し、その親和性とDNA切断活性との相関性を明らかにした。 1 2,4'-ビチアゾール残基を持つ4,4'-ビチアゾール誘導体の合成とDNA切断活性 1)2,4'-ビチアゾールのカルボン酸誘導体が4,4'-ビチアゾール環側鎖アミノ基に結合した誘導体(1)、及びスペーサーとしてグリシン残基を持つ誘導体(2)を合成し、各種分析機器により構造を決定した。 2)1と2は、濃度50μM、37℃、1時間の反応で強力なDNA切断活性を示すことが分かった。 2 ビチアゾール・アミノ酸複合体のDNAとの親和性の評価とDNA切断活性との相関性 合成したビチアゾール・アミノ酸複合体のDNAとの親和性は蛍光スペクトルにより算出できる C50値を指標として評価した。 1)末端アミノ基を持つ複合体は大きいC50値を示し、DNAとの親和性が低く、オルニチンやリジン残基を持つ塩基性アミノ酸誘導体で最小のC50値を示し、DNAとの親和性が高いが、いづれもDNA切断活性はそれほど強く無いことが分かった。 2)末端アミノ基を持つ複合体と同等で、塩基性アミノ酸誘導体の中ではDNAとの親和性が最も低い2,3-diaminopropanoic acid残基を持つ複合体が最も強力なDNA切断活性を持つことが分かった。 3)今回合成したビチアゾール・塩基性アミノ酸複合体では、DNAとの親和性がそれほど高くはない2,3-diaminopropanoic acid残基を持つ複合体が最も強力なDNA切断活性を持つことから、DNAとの親和性と切断活性は負の相関性を示すことが分かった。
|