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2000 Fiscal Year Annual Research Report

位置特異的重原子標識法の開発によるタンパク質立体構造解析の高度精密化

Research Project

Project/Area Number 11680606
Research InstitutionNara Women's University

Principal Investigator

中沢 隆  奈良女子大学, 理学部, 助教授 (30175492)

Keywordsタンパク質 / X線結晶解析 / MAD法 / 重原子標識アミノ酸 / デヒドロアミノ酸 / トリプトファン / セレノトリプトファン / 重原子化タンパク質
Research Abstract

昨年度に引き続きトリプトファンの重原子標識のための大量合成法の開発を行った。またセレンやテルルなどのカルコゲンの他、臭素やヨウ素といったハロゲン原子にまで対象とする重原子の範囲を広げた。これまでに開発した合成法は、中間体にβ-(N-置換アミノ)デヒドロアラニン誘導体(1)に重原子を含むインドールやベンゾセレノフェンのような求核剤を作用させ、置換反応により対応するデヒドロトリプトファン・アナログ(2)を得るというものであった。ところがベンゾセレノフェンはインドールに比べて求核作用が弱いために、例えば目的とするセレン化合物の収量は天然型のトリプトファンの場合に比べて著しく低くなる欠点がある。そこでこの合成法の適用範囲を広げるために1とカルボニル化合物との縮合反応を試みた結果、最近新たに1とオキシインドールから目的とするα,β-デヒドロ-2-オキシトリプトファンを得る反応経路を見出した。現在、これをもとにオキシインドールの重原子アナログであるベンゾセレノラクトンとの反応によってα,β-デヒドロ-2-オキシセレノトリプトファン(3)の合成を行っている。3は次亜リン酸還元によりデヒドロセレノトリプトファンに変換可能である。この方法は、縮合反応の効率がカルボアニオンの求核性にほとんど依存するため、インドール誘導体自体の求核性の差に大きく影響されない利点がある。このように複数の反応経路を開発したことにより、今後より多種類の重原子置換トリプトファン誘導体の合成が可能になった。以上の研究成果の一部は日本生化学会、日本生物物理学会、および環太平洋化学会(Pacifichem2000)などにおいて発表済みであり、現在専門雑誌に投稿中または投稿準備中である。またこれらの学会の会場において重原子標識アミノ酸に対する供給依頼と研究協力の申し出があったことを付記しておく。

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Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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