1999 Fiscal Year Annual Research Report
Ras.RacファミリーGT Paseを介するシグナル伝達の解析
Project/Area Number |
11680625
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 孝哉 東京工業大学, 生命理工学部, 寄附講座教員 (20251655)
|
Keywords | GEF / Ras-GRF1 / ACK / Rac / Cdc42 / Src |
Research Abstract |
Ras-GRF1は、脳に特異的に発現しているGEFである。はじめにRasに対するGEFとして同定され、Ca^<2+>シグナルに応答したカルモジュリンの結合や、Gタンパク質共役型レセプター(GPCR)刺激に応答したセリンリン酸化により、Ras-GEF活性が上昇することが報告されている。Ras-GEF活性を担うドメイン(CDC25ドメイン)は、分子のC末端側に存在している。また、Ras-GRF1の遺伝子破壊マウスには、記憶の固定化段階での傷害が報告されており、Ras-GRF1は脳の高次機能の発現に重要な役割を担っていると考えられている。一方、Ras-GRF1には、Rhoファミリーに対するGEFが共通してもつDH/PHドメインも存在するが、Rhoファミリーに対するGEF活性は見出されていなかった。最近、上流のシグナルに応答してRhoファミリーに対するGEF活性が誘導される系がいくつか知られるようになった。例えば、血球系細胞で機能するVavは、チロシンキナーゼLckによりリン酸化されることで、Rac-GEF活性を示す。さらにRasに対するGEFとしてよく解析されているSosは、Ras/PI3キナーゼ依存性のシグナルに応答してRac-GEFが誘導される。 そこで我々は、Ras-GRF1も上流からのシグナル依存的にRhoファミリーに対するGEF活性を示すのではないかと考え、一過性発現系を用いて検討した。その結果、GPCRからGβγを介するシグナルが、Ras-GRF1のRacに対するGEF活性を誘導することを明らかにした。このときRho、Cdc42に対してはGEF活性を示さず、Rasに対するGEF活性も変化しなかった。さらに、GβγからのシグナルはRas-GRF1のチロシンリン酸化を誘導し、それがRac-GEF活性の誘導に必要であることが明らかとなった。また、同様のRac-GEF活性が、Srcによるチロシンリン酸化によっても誘導されることが明らかになった。Srcの効果は、一過性共発現系においても、無細胞反応系においても示された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Kazuhiko Nishida,Yoshito Kuziro Takaya Satoh: "Anti-apoptotic tunction of Rac in hematopoietic cells"Oncogene. 18. 407-415 (1999)
-
[Publications] Mari Kiyono,Takaya Satoh,Yoshito Kuziro: "G protein βγ subunit-dependent Rac-guanine nncleotide exchange activity of Ras-GRF1/CDC25Mm"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 96. 4826-4831 (1999)
-
[Publications] Kazuhiko Nishida,Yoshito Kuziro Takaya Satoh: "Asseciation of the proto-oncogene product Dbl with G protein βγSubunits"FEBS Lett.. 459. 186-190 (1999)
-
[Publications] Koji Terada,Yoshito Kaziro, Takaya Satoh: "Analysis of Ras-dependent Signals that prevent caspase-3 activation and apoptosis induced by cylokine deprivaslion in hemastopoietic cells"Biochem.Biophys.Res.Commnun.. 267. 449-455 (2000)
-
[Publications] Juran Kato,Yoshito Kaziro, Takaya Satoh: "Activation of the guanine uncleotide exchange factor Dbl following ACKI-dependent tyrosine phosphorylation"Biochem.Boiophys.Res.Commun.. (in press). (2000)
-
[Publications] Mari Kiyono,Yoshito Kaziro,Takaya Satoh: "Induction of Rac-gnanine nncleotide exchange activity of Ras-GRF1/CDC25Mm following phosphorylation by the nonreceptor tyvozine kinare Src"J.Biol.Chem.. (in press). (2000)