2000 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンB12関与ラットメチオニン合成酵素の補酵素認識機構
Project/Area Number |
11680634
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
飛松 孝正 岡山大学, 工学部, 助教授 (30188768)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
虎谷 哲夫 岡山大学, 工学部, 教授 (70026318)
|
Keywords | メチオニン合成酵素 / ビタミンB12 / メチルコバラミン / 欠乏症 / C1代謝 / バキュロウイルス / ホモシステイン / 葉酸 |
Research Abstract |
1.ラット組織中のB_<12>レベルの変動と酵素活性調節機構の解析 メチオニン合成酵素(MS)はビタミンB_<12>(B_<12>)の欠乏に伴って活性が1/20以下に低下することが報告されているが,その活性低下のメカニズムは不明であった.本研究では,このB_<12>の欠乏に伴うMSの変動を分子生物学の手法を用いて解明することを試みた. 妊娠・授乳の期間中親ラットをB_<12>欠乏飼料で飼育し,生れた雄ラットを実験に用いた.B_<12>欠乏群のラットは離乳後90〜120日間B_<12>欠乏飼料で飼育した.対照群には毎日1μgのシアノB_<12>を経口投与した.B_<12>回復群はB_<12>欠乏ラットに補酵素型のB_<12>であるメチルコバラミンを投与した.B_<12>欠乏群では,体重増加量が対照群の半分強に低下し,尿中メチルマロン酸量の顕著な増加,肝臓中のB_<12>量やホロMS活性,全MS活性の顕著な減少が認められた.MSタンパク質の量も活性の低下と同様に顕著に減少していたが,MS mRNA量は対照群と同程度であった.B_<12>の回復群では,比較的短時間でB_<12>欠乏状態からの回復が認められ,MS活性やMSタンパク質の量も経時的に増加したが,mRNA量は変動しなかった.また,どの群のラット肝臓でもMSのほとんどがB_<12>を結合したホロ酵素であった.これらの結果と,アポMSが非常に不安定であるがメチルコバラミンとの複合体の形成で安定化されるとのin vitroでの観察結果より,B_<12>の欠乏に伴うMS活性の著しい低下は,MSの生合成の調節によるのではなくMSが補酵素による安定化を受けられないためであると結論した. 2.組換え体メチオニン合成酵素の簡易な精製法の確立 MSの簡易な精製法の確立を目指して,N末端にHis-タグを有する組換え体MSの昆虫細胞での発現系を構築した.組換え体MSは活性な酵素として発現し,Ni-NTAアフィニティーカラムの1ステップで純粋にできたが,精製後のMSは酵素活性を失っていた.現在,他の手法を検討中である.
|
Research Products
(1 results)