1999 Fiscal Year Annual Research Report
リパーゼの新たな生理機能の探索-アシルトランスフェラーゼとしてのリパーゼ-
Project/Area Number |
11680638
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
辻田 隆広 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60112265)
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Keywords | リパーゼ / エステル / アシルトランスフェラーゼ / ワックス / 脂肪酸 / 脂肪族アルコール |
Research Abstract |
(1)ラット膵臓より膵リパーゼおよび牛膵臓よりコレステロールエステラーゼをそれぞれSDS-ゲル電気泳動で単一にまで精製した。 (2)大量精製した膵リパーゼおよびコレステロールエステラーゼを用いてワックスエステル(palmityl oleate)の合成/分解反応を水溶液中で解析した。合成反応は[^<14>C]Oleic acidとHexadecanolエマルジョンおよび[^<14>C]TrioleinとHexadecanolエマルジョンを基質として使用し、分解反応はPalmityl[^<14>C]oleateを基質として用い、合成/分解の平衡点を測定した。酵素活性は脂質を抽出後、薄層クロマトグラフィーにて分離後、放射活性を直接イメージアナライザー(BAS1000)にて定量した。両酵素ともエステルと遊離脂肪酸の平衡点は0.9/0.1とエステル合成の方に傾いていた。またこの平衡はpHや脂肪酸の炭素鎖長に依存していた。アルカリ側のpHや脂肪酸の炭素鎖が短い場合には平衡は遊離脂肪酸の方に移行した。同様な結果は微生物由来のリパーゼにも認められた。したがっ水溶液中でのエステル合成反応におけるこのような性質はリパーゼ一般に認められる現象であることが推測された。 (3)[^<14>C]Oleic acidと[^<14>C]Trioleinをアシル供与体として使用し、アルコールの種類を変え、種々のエステル合成活性を膵コレステロールエステラーゼを用いて測定した。コレステロールエステラーゼはレチノールやコレステロールなどの種々の脂溶性アルコールのエステル化を促進し、本酵素は非特異的アシルトランスフェラーゼであると結論した。
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[Publications] N.Bitou,M.Ninomiya,T.Tsujita,H.Okuda: "Screening of Lipase Inhibitor from Marine Alage"Lipids. 34・5. 441-445 (1999)
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[Publications] T.Tujita,M.Sumiyoshi,H.Okuda: "Wax Ester-Synthesizing Activity of Lipases"Lipids. 34・11. 1159-1166 (1999)