2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680639
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
村上 安子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30056709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松藤 千弥 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50192753)
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Keywords | オルニチン脱炭酸酵素 / アンチザイム / ポリアミン / ノックアウト細胞 / 細胞内蛋白質分解 / ゼブラフィツシュ / 分裂酵母 / ポリアミン輸送 |
Research Abstract |
1.マウスアンチザイム(AZ)2の生理作用 AZ2は試験管内ではオルニチン脱炭酸酵素(ODC)分解を促進しないが、培養細胞に強制発現すると,ときにODC分解を促進しポリアミン輸送系を阻害する。「AZ2自体にはODC分解促進とポリアミン輸送系阻害の活性はないが、未知の生体構成成分と結合しているAZ1(主要なAZ)を放出させることによってODC分解促進とポリアミン取り込み抑制をもたらす可能性」を検討した。AZ1ノックアウトマウス由来のAZ1欠損細胞に於いても、AZ(恐らくAZ2)依存性のODC分解の促進とポリアミンの取り込み阻害がみられた。また、AZ2の強制発現により細胞内ODC分解が亢進したHTC細胞の抽出液中のAZ1含量とODC分解活性は非発現細胞のそれと変わらなかった。以上より上記の可能性は否定され、AZ2自体に弱いODC分解促進とポリアミン輸送阻害作用があると考えられた。2.ゼブラフィツシュのAZ-SとAZ-Lの生理機能の解析 ゼブラフィッシュのODC cDNAをクローニングし、GST融合蛋白質として発現させ、二種のAZとの反応性を確認した。また、ゼブラフィッシュの培養細胞系を用いてポリアミン/AZによるODCのフィードバック機構の存在を確認した。3.分裂酵母のAZの生理機能 ODC(spel)およびS-アデノシルメチオニン脱炭酸酵素(spe2)遺伝子のノックアウト株を作成し、さらに交配によって二重変異体(spe1 spe2)を得て、ODCの動態を解析した。スペルミジン非含有培地ではspe2変異体は顕著なODC上昇をきたし、スペルミジン添加により蛋白合成依存的に不活性な結合型ODCが増加するとともに速やかなODC分解が引き起こされた。このスペルミジンによるODC分解促進はAZ(spa)遺伝子のノックアウト株との交配によって得た二重変異体(spa spe2)では観察されなかった。以上より分裂酵母においてODC調節にAZが関与することが強く示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ivanov,I.P.: "Conservation of polyamine regulation by translational frameshifting from yeast to mammals"EMBO J.. 19・8. 1907-1917 (2000)
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[Publications] Murakami,Y.: "Degradation of ornithine decarboxylase by the 26S proteasome"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 267・1. 1-6 (2000)
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[Publications] Tanahashi,N.: "Hybrid proteasome : Induction by interferon-γ and contribution to the ATP-dependent protolysis"J.Biol.Chem.. 275. 14336-14345 (2000)
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[Publications] Saito,T.: "Two zebrafish antizymes with different expression and activities"Biochem.J.. 345・1. 99-106 (2000)
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[Publications] 村上安子: "オルニチン脱炭酸酵素とアンチザイム"実験医学. 19・2. 173-179 (2000)
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[Publications] 村上安子: "迅速なポリアミン制御を可能にするオルニチン脱炭酸酵素の分解系."化学と生物. 39・3. 171-176 (2001)
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[Publications] Chattopadhyay,M.: "Antizyme regulates the degradation of ornithine decarboxylase in fission yeast Schizosaccharomyces pombe-Study in the spe2 konckout strains"J.Biol.Chem.. (in press).
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[Publications] 村上安子: "タンパク質分解"シュプリンガー・フェアラーク東京. 236 (2000)