2000 Fiscal Year Annual Research Report
チロシン脱リン酸化酵素CD45により制御されるB細胞シグナル伝達分子
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11680645
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
片桐 達雄 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主事研究員 (00233742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢倉 英隆 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 参事研究員 (60166486)
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Keywords | ラフト / B細胞抗原受容体シグナル / CD45 / チロシン脱リン酸化酵素(PTP) / チロシンリン酸化酵素(PTK) / Src-family PTK / Lyn / Fyn |
Research Abstract |
B細胞抗原受容体(BCR)シグナル伝達におけるCD45の役割解明を目的とし、未熟および成熟B細胞株よりそれぞれ樹立したCD45陰性クローンを用いた解析を行い以下の結果を得た。 1.CD45の生理的基質の検索 未熟B細胞株WEHI-231と成熟B細胞BAL-17におけるCD45の生理的基質がそれぞれLynとFynであり、CD45はこれらのSrc-familyチロシンキナーゼ(Src-PTK)を抑制していることを明らかにした。さらにその機構を解析した結果、CD45がLyn・Fynの自己リン酸化部位とネガティブ制御部位の双方を脱リン酸化することが明らかになり、CD45による自己リン酸化部位の脱リン酸化がこれら酵素の活性発現により重要な働きをしていることが示唆された。一方、Lyn・Fyn以外の基質についても検討を行ったが、現在までに新たな基質分子の発見には至らなかった。 2.CD45とシグナル伝達関連分子のラフトにおける相互作用解析 種々の細胞内シグナル伝達発信の場として細胞膜上に構成される「ラフト」が重要な役割を果たすことが明らかになりつつある。CD45とSrc-PTKのラフトにおける相互作用について解析した。この結果、(1)表面Ig-MはBCR刺激によりラフトに集積する、(2)Lyn・Fynは刺激以前より多くがラフトに集積しているが、BCR刺激はこの集積を増強する、(3)CD45は全体のごく一部が刺激以前よりラフトに存在しており、BCR刺激直後にラフトより解離する、(4)解離したCD45は少なくとも30分後には再びラフトに集積することが明らかになった。 以上の結果は、ラフト構造がCD45によるSrc-PTKの活性制御機構に重要な役割を果たしていることを示している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Arimura,Y.: "CD45 is required for CD40-induced inhibition of DNA synthesis and regulation of c-Jun NH_2-terminal kinase and p38 in BAL-17 B cells."J.Biol.Chem.. (in press). (2001)
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[Publications] Ogimoto,M.: "Opposing regulation of B cell receptor-induced activation of mitogen-activated protein kinases by CD45."FEBS Lett.. 490(1-2). 97-101 (2001)
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[Publications] Mizuno,K.: "SHP-1 dephosphorylates BLNK/SLP-65 and selectively regulates c-Jun NH_2-ternminal kinase activation in B cells."J.Immunol.. 165. 1344-1351 (2000)
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[Publications] Hasegawa,K.: "Requirement of PEST domain tyrosine phosphatase PEP in B cell antigen receptor-induced growth arrest and apoptosis."Eur.J.Immunol.. 29. 887-896 (1999)
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[Publications] Katagiri,T.: "CD45 negatively regulates Lyn kinase activity by dephosphorylating both positive and negative regulatory tyrosine residues in immature B cells."J.Immunol.. 163. 1321-1326 (1999)