1999 Fiscal Year Annual Research Report
可塑性遺伝子産物Arcを介するシグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
11680646
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
杉浦 弘子 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主事研究員 (40162870)
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Keywords | 可塑性遺伝子 / Dynamin / two hybrid system / GTPase活性 |
Research Abstract |
可塑性遺伝子産物Arcを介するシグナル伝達を明らかにするために、Arcと相互作用するタンパクSH3P13の性質と、SH3P13とその標的タンパク質であるdynaminとの相互作用に注目して研究を行ない次のような結果を得た。 1.Arcと相互作用するタンパクSH3P13の性質と機能:(1)ArcとSH3P13が相互作用することをArc GST融合タンパク質を用いた免疫沈降により確認した。(2)ノーザンブロットにより、SH3P13mRNAは精巣に最も多く存在し、ついで脳の各組織および肝臓に存在した。脳では、海馬、線条体に多く存在していた。しかし、神経活動を高めた時、Arcとは異なり、活動に依存した変化は示さず、常に一定であった。(3)SH3P13に対する特異抗体を調製し、脳における局在を調べたところ、大脳皮質II-III層およびV層のneuronが免疫反応陽性であった。(4)ArcがSH3P13に結合し、次にどのような変化が起るかを調べるために、SH3P13をbaitにして、two hybrid systemを行ない、相互作用するタンパク質を調べたところ、Dynamin、SH3P8、Synapsinのクローンが得られた。 2.SH3P13とDynaminの相互作用:(1)two hybrid systemにより得られたクローンの中で、特にDynaminとSH3P13との作用について調べた。DynaminはSH3ドメインを持ったタンパクによりGTPase活性が調節されることが知られているため、GTPase活性をα-[^<32>P]GTPを用いて測定し、SH3P13を加えたときのDynamin GTPase活性に対する効果を調べた。SH3P13添加で、DynaminGTPase活性は促進し、GTPはGDPに脱リン酸された。(2)DynaminとSH3P13は免疫沈降で共沈し、直接結合することが明らかになった。(3)DynaminはSH3P13と同様に、脳においては大脳皮質II-III層およびV層のneuronに存在していた。
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Research Products
(1 results)