2000 Fiscal Year Annual Research Report
三量体GTP結合蛋白質の各種γサブユニットの機能に関する研究
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11680649
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
浅野 富子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 室長 (70100154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 理香 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究助手
上田 浩 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究員 (50253779)
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Keywords | G蛋白質 / βγサブユニット / 細胞伸展 / リゾフォスファケジン酸 / プロテインキナーゼC / Rac / Cdc42 / 百日咳毒素 |
Research Abstract |
昨年度の研究でβγによるアクチン細胞骨格の制御機構が存在することが明らかになったので、本年度は細胞を培養皿からはがし、再び播いてリゾホフォスファチジン酸(LPA)で刺激したときの細胞の接着・伸展時の形態を観察する方法で三量体G蛋白質による伸展制御を検討した。Giを特異的に阻害する百日咳毒素でNIH3T3細胞を処理すると、細胞伸展が著しく抑制された。LPA刺激によって起こる細胞伸展はRhoファミリーのどの分子種を介しているかを検討するため、Rho、RacおよびCdc42のドミナントネガティブ(DN)変異体を発現させて、細胞伸展を観察した。その結果、RacおよびCdc42のDN変異体により伸展阻害が見られた。また、内在性のRacおよびCdc42の活性化を測定すると、両分子ともLPA刺激により活性化され、この活性化は百日咳毒素処理により抑制された。これらの結果から、LPAによる細胞伸展はGiからRacおよびCdc42を介して起こっていることが明らかになった。一方、RhoDN変異体を発現させても顕著な変化は見られなかったが、活性型Rhoを発現すると逆に細胞の球形化が起こった。これらの結果から、LPA刺激による細胞接着・伸展時にはGiはRac、Cdc42を介して細胞を伸展させる方向に働き、G12/13はRhoを介して細胞を球形化させる方向に働くという2つのシグナルの拮抗関係の中で細胞形態が決定されるものと考えられる。 Giによる細胞伸展はαとβγサブユニットのどちらによって起こるのかを検討したところ、αi2とβγ両者とも伸展促進を示した。βγによる促進効果はγ2よりもγ12の方が強い傾向を示した。 γ12はプロテインキナーゼCで特異的にリン酸化を受ける性質があるので、リン酸化部位のセリンをアラニンに置換した遺伝子を導入するとその効果は減少し、γ2と同程度になった。また、プロテインキナーゼCの阻害剤でβγ12による促進効果がβγ2と同程度にまで減少したことより、γ12のリン酸化が一部関与していると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Wada,Y.: "A region of the sulfonylurea receptor critical for a modulation of ATP-sensitive K^+ channels by G-protein βγ-subunits."EMBO J.. 19(18). 4915-4925 (2000)
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[Publications] Saitoh,O.: "Regulator of G protein signaling 8 (RGS8) requires its N-terminus for subcellular localization and acute desensitization of G protein-gated K^+ channels."J.Biol.Chem.. 276(7). 5052-5058 (2001)
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[Publications] Ueda,H.: "Regulation of Rac and Cdc42 pathways by Gi during lysophosphatidic acid-induced cell spreading."J.Biol.Chem.. 276(9). 6846-6852 (2001)