1999 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光相互相関分光法による三重鎖DNA分子間相互作用の解析
Project/Area Number |
11680651
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金城 政孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (70177971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 吾朗 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30218193)
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Keywords | Triplex / 三重鎖DNA / 蛍光測定 / 蛍光色素 / 蛍光相関分光法 / ハイブリダイゼーション / ゆらぎ |
Research Abstract |
本研究の目的は分子間相互作用を高感度に検出する蛍光相互相関分光法(Fluorescence Cross Correlation Spectroscopy,FCCS)を用い、蛍光標識二重鎖DNA+蛍光標識オリゴDNAを対象にして、三重鎖DNA生成時の分子間相互作用の特徴を明らかにすることである。我々の開発してきたこれまでの蛍光相関分光法(FCS)ではその検出は分子の大きさに依存していたが、FCCSでは、発光波長の異なる2種類の蛍光分子の揺らぎの「同時性」を解析することに基づく分子間の相互作用を直接検出することが可能となる。分子が結合して同時に動くことがあるなら、その揺らぎの中に同時に揺らいでいる信号が見つかるはずである。それを解析する事で分子間の相互作用を解析する方法である。この手法を利用して三重鎖形成解析のための定量的手法を確立し、三重鎖安定化機構を明らかにしようとするものである。 FCCSでは2種類の蛍光色素を用いて、それぞれ別のオリゴDNA鎖に結合させて、その蛍光強度の揺らぎを測定する。このとき、それぞれの蛍光発光を別々の光学フィルターを経由して、明確に分離する必要がある。本年は基礎的なデータを得るために、種々の蛍光色素の組み合わせを考慮し測定をした結果、現在までにRhodamin GreenとCy5の組み合わせが最適であることが分かった。また、相補的な20塩基対、相補的な40塩基対並びに、相補的でない20塩基と40塩基の組み合わせで、それぞれFCCSの測定を行った。その結果、相補的な20塩基並びに40塩基の組み合わせにおいては明確な相互相関の信号が得られ、それぞれ2重鎖の形成率が43%と50%であること、また一方、相補的でない組み合わせでは信号が得られなかった。今後、これらの結果をもとに3重鎖形成の過程をFCCSを用いて測定解析する予定である。
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[Publications] Pack, C-G: "Effect of electrostatic interaction on the binding of charged substrate to GroEL studies by high sensitive fluorescence correlation spectroscopy"Biochem. Biophysi, Res. Comm.. 267. 300-304 (2000)
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[Publications] Nomura, Y.: "C-fos expression and redox state of cytochrome oxidase of rat brain in hypoxia"Neuro Report. 11. 301-304 (2000)
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[Publications] Takakuwa, T.: "Fluorescence correlation spectroscopy analysis of the hydrophobic interaction of protein 4.1 with phosphatidyl serine"Biophysical Chem.. 82. 149-155 (1999)
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[Publications] 金城政孝: "蛍光相関分光法による一分子検出"蛋白核酸酵素. 44. 1431-1438 (1999)
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[Publications] 金城政孝: "蛍光相関分光法によるDNAの検出"精密工学. 65. 175-180 (1999)
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[Publications] 西村吾朗: "蛍光相関法による単一分子レベルの酸素反応解析"生物物理. 39. 81-85 (1999)