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1999 Fiscal Year Annual Research Report

タンパク質分子の基準振動間のカップリングに基づく動的構造の解析

Research Project

Project/Area Number 11680664
Research InstitutionKitasato University

Principal Investigator

猿渡 茂  北里大学, 理学部, 助教授 (00265729)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 輪湖 博  早稲田大学, 社会科学部, 教授 (60158607)
Keywords分子動力学 / 内部座標 / 2面角 / エネルギー移動 / 非線形効果 / 434リプレッサー
Research Abstract

多くの酵素で活性部位と補酵素の結合部位が遠く離れているといった事実が示すように、タンパク質の静的な構造からではその機能を理解できないことが多い。本研究では静的構造の揺らぎを線形の範囲で解析する手法である基準振動解析の個々の振動モードの方向に初速度を与えて分子動力学を行うことにより、基準振動間のカップリングによってモード間のエネルギー移動が生じる様子を系統的に調べることを目的とする。
基準振動解析には、変数の数が少なくなることから分子の立体構造を記述する変数として2面角のような内部座標がよく用いられており、動力学もわれわれが開発してきたプログラム(FEDER/3)を用いて2面角座標系で行った。相同タンパク質である434Cro及び434リプレッサーを対象としてそれぞれ約400個の基準振動のうちで振動数が200cm^<-1>より低いもの約300個すべての方向へ動力学を行った。温度が各モードあたり300K(分子全体では0.7K)では40cm^<-1>より速い運動は基準振動から予想される振動数の調和振動となり、温度が高くなると他のモードヘエネルギーが散逸していく様が観察された。その際振動数が大体2倍の基準振動にエネルギーが移りやすい傾向が見られた。40cm^<-1>より遅いモードを初期値とした動力学では300Kにおいてもいくつかのモードにエネルギーが移動していく様が観測された。その際100cm^<-1>あたりに共通して励起されるモード、すなわちエネルギーが集まりやすいモードが複数あることがわかった。また10cm^<-1>以下の最も遅いモードに対しては同じ方向でも2通りの向きに対して動力学を行った結果、いくつかのモードの1つの向きでは基準振動解析を行ったエネルギー極小構造とは別の局所的極小構造に移っていく様が観測されたが、2つの蛋白質分子に共通の特徴はみられなかった。

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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