2001 Fiscal Year Annual Research Report
ミオシンとキネシンの活性部位に存在する特徴的なループの役割
Project/Area Number |
11680667
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
丸田 晋策 創価大学, 工学部, 助教授 (40231732)
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Keywords | 分子モーター / ミオシン / キネシン / ループ / 遷移状態アナログ / ミュータント / 蛍光 / 構造変化 |
Research Abstract |
キネシンに特異的にみられる機能に密接に関係していると考えられるループL5とL12の役割を明らかにするために、遺伝子操作を利用してこれらのループにTrpを導入することにより蛍光で特異的に標識したキネシンを調製した。そしてこのキネシンを用いてATP加水分解サイクルにおいて異なる幾つかのステップを形成させTrpの蛍光を測定した。 1.マウス脳キネシンのL5とL12にTrpを導入したミュータントの調製と性質 ループL5の疎水性Leu100あるいはLeu105をそれぞれTrpに置き換えたL100WとL105WをコードするcDNAを調製した。またループL12では疎水性Va1277をTrpに置換したV277WをコードするcDNAを同様に調製した。これらをpET15bベクターに導入し、E.coliBL21(DE3)にトランスフォームしてIPTGで誘導発現させた後、Niキレートカラムを用いて精製を行った。そして生理的活性が保持されていることを微小管活性化ATPase活性で確認した。L100Wはwild typeに近いATPase活性を示した。L105Wはbasal ATPase活性が著しく低かったが微小管活性化ATPase活性は保持されていた。V277WのATPaseの微小管による活性化はwild typeの1/15程度であった。 2.L5とL12にTrpを導入したマウス脳キネシンの蛍光測定 L100Wの蛍光は、ADPが結合すると30%、ATPでは15%減少した。またkinesin ATPaseサイクルにおいて異なるステップを形成するキネシン・ADP・AlF_4-,BeFn or Vi複合体においてもそれぞれ異なる蛍光強度の減少を示した。L105WとV277Wでもnucleotide結合に伴う蛍光強度の変化が観察されたが、L100Wほど顕著ではなかった。 これらの結果からATPaseサイクルに伴って、これらのループは構造変化を起こしており、エネルギー変換に重要な役割をしていることが示唆された。
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[Publications] Shibuya, S., Tokutake, Y., Kondoh, K., Kimura, N., Maruta, S.: "Formation of kinesin-ADP-fluorometal ternary complexes and their characterization"Biophysical Journal. 82. 64a (2002)
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[Publications] Maruta, S., Umeki, N., Yodoi, M.: "Incorporation of photochromic molecule into the reactive cystein region of skeletal muscle myosin"Biophysical Journal. 82. 406a (2002)
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[Publications] Mizukurz, Y., Kawakami, T., Maruta, s.: "Confromational change of myosin head accompanied by energy transduction"Biophysical Journal. 82. 407a (2002)