2000 Fiscal Year Annual Research Report
光合成系II超分子複合体の高分解能電子線結晶構造解析
Project/Area Number |
11680668
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中里 勝芳 日本大学, 文理学部, 助教授 (50172292)
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Keywords | 光合成 / 光化学系II / 二次元結晶 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
1.系II粒子の単離精製:ホウレンソウのチラコウィド膜より得た光化学系II膜断片をヘプチルチオグルコシドで処理し、酸素発生能を保持した光化学系II複合体を得た。この粒子からすべての膜表在性タンパク質(33kDa、23kDa、17kDa)をトリス処理によって除去した系II粒子を種々の条件下でドデシルマルトシド処理した。この系II溶液からショ糖密度勾配遠心およびイオンクロマトグラフィーによって系II粒子を単離精製した。SDS-PAGE分析によって得られた系II粒子はCP47、CP43、D1、D2、cytb559およびpsbIなどの低分子量膜タンパク質よりなる系IIコア複合体であった。この系IIコア複合体をさらにドデシルマルトシド処理し、ショ糖密度勾配遠心およびイオンクロマトグラフィーによって系IIエサブコア粒子(CP47-反応中心複合体)を単離精製した。 2.系II粒子の二次元結晶化:上記二種類の系II粒子にドデシルマルトシドで可溶化したジガラクトシルジグリセロール/モノガラクトシルジグリセロール/ホスファジルグリセロール溶液を添加し、自作のバイオビーズ自動添加装置を用いて、ドデシルマルトシドを徐々に除去することにより二次元結晶化を試みたところ、脂質膜(リポソーム)内に系II粒子の二次元結晶が確認された。結晶領域の広さはバイオビーズの添加速度に依存し、添加速度の遅い場合に比較的良質で大きな二次元結晶が得られた。二次元結晶は脂質膜内にモザイク状に存在しており、その大きさは200nm平方程度であった。
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