1999 Fiscal Year Annual Research Report
酵母をモデル系としたDNA損傷チェックポイントコントロール
Project/Area Number |
11680674
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉本 勝則 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90192616)
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Keywords | DNA複製 / DNA損傷 / チェックポイントコントロール |
Research Abstract |
出芽酵母において、RFC5遺伝子は5つのサブユニットからなるReplication factorC(RFC)のサブユニットの一つをコードする。我々は、RFC5遺伝子がDNA複製、修復に必須であるのみならずDNA複製およびS期DNA損傷チェックポイントコントロールにも重要な役割を持つことを示してきた。これらのチェックポイントにおけるRFC5の作用機序を明かにするために、rfc5変異を大量発現したときサプレスする遺伝子を単離した。解析の結果、そのうち一つはDNA損傷チェックポイントコントロールに関与するRAD24遺伝子であった。Rad24遺伝子産物は、RFCと結合していることが免疫沈降法およびショ糖密度勾配法により示された。rad24変異は損傷チェックポイントに異常を示すがDNA複製チェックポイントには欠陥を示さない。しかし、rad24変異をrfc5変異細胞に導入するとrfc5変異のDNA複製チェックポイントの欠陥を増大させるため、Rad24はRFCと結合してDNA複製チェックポイントに関与していることが推測される。 出芽酵母における遺伝学的解析から、DDC1、ME03、RAD17は、DNA損傷チェックポイントコントロールにおいてRAD24と同じ機能をすると考えられている。Rad24とこれら3つの蛋白質の結合を免疫沈降法およびショ糖密度勾配法で検討した結果、Mec3、Rad17,Ddc1は複合体を形成すること、またその複合体にRad24は含まれていないことが示された。また、rad24変異のDNA損傷感受性およびS期DNA損傷チェックポイントの欠陥はDDC1を大量発現することにより部分的にレスキューされた。これらのことから、DNA損傷チェックポイントシグナル伝達系において、Rad17-Mec3-Ddc1複合体は,Rad24の下流で機能することが示唆される。
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