1999 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌染色体分配に関わるMukFEB蛋白複合体の分子機構の解明
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11680682
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山添 光芳 熊本大学, 医学部, 助手 (00284745)
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Keywords | 大腸菌 / 染色体分配 / MukFEB蛋白複合体 / SeqA蛋白 / Smc蛋白 |
Research Abstract |
今年度は申請書の2つの研究計画のうち、Muk蛋白複合体の精製と生化学的解析に的を絞り研究を行った。(1)MukF、MukE、MukB蛋白を複合体として精製するために、3つのMuk蛋白を大量に発現する細胞をリゾチーム処理によって穏やかに溶菌させた後、可溶蛋白をゲル濾過カラムによって分画した。Muk蛋白を含む画分を陰イオン交換カラムに二度通すことにより、最終的に95%以上の純度を持ったMuk蛋白複合体を精製することに成功した。3つのMuk蛋白は全ての精製段階でMukFEB複合体として存在していた。またMukFEB複合体とともに精製されてくる45kDaと20kDaの大きさの蛋白が認められたので、これらの蛋白の同定と複合体に存在する生物学的意義について検討していく予定である。(2)精製したMukFEB蛋白複合体は一本鎖DNAと二本鎖DNAの両方に同じ親和性で結合し、ATP加水分解能はDNAの存在によって影響を受けなかった。この特徴は他のバクテリアでMukBと同じ機能を持つと考えられているSmc蛋白と大きく異なっている。またMukFEB蛋白複合体の生化学的活性はMukB蛋白単独の活性と有意な差は認められなかった。複製直後の半メチル化DNAに結合するSeqA蛋白がMukB蛋白と遺伝学的相互作用をすることが示唆されており(未発表データー)、MukFEB複合体の生化学的活性に対する半メチル化DNAやSeqA蛋白の影響を調べていきたい。(3)MukF、MukE蛋白がMukFEB複合体の中でどのようにMukBダイマーと結合しているのかを調べるために、精製したMukFEB複合体の形態学的観察を生物部分子工学研究所の真柳浩太博士との共同研究で進めている。
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[Publications] Hiraga S.: "Bidirectional migration of SeqA-bound hemimethylated DNA clusters and priring of oriC copies in Escherichia coli."Genes Cells. in press. (2000)
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[Publications] Yamazoe M.: "Complex formation of MukB, MukE and MukF proteins involved in chromosome partitioning in Escherichia coli."EMBOJ. 18. 5873-5884 (1999)