1999 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエと出芽酵母の新規細胞周期遺伝子ファミリーの機能解析
Project/Area Number |
11680694
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉山 伸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00270984)
|
Keywords | 細胞周期 / ショウジョウバエ / 出芽酵母 |
Research Abstract |
卵割のM期に細胞周期が停止するショウジョウバエGp99突然変異はMAPキナーゼ細胞シグナル伝達系やG2サイクリンとの遺伝的相互作用を示し、その原因遺伝子は新規蛋白質をコードする。類似した複数配列が出芽酵母、分裂酵母、線虫のゲノムデータベースに見られ、3つのサブタイプからなる新しい遺伝子ファミリーを構成する。出芽酵母4遺伝子(ScA,ScB1,ScB2,ScC)の破壊実験を行った結果、ScAが細胞周期のG1期の進行に必須であり、ScCが減数分裂過程である胞子形成に必須であることから、遺伝子ファミリーの細胞周期機能が進化的に保存されていると判明した。しかし遺伝子ファミリーは既知のドメインを持たない全く新規の蛋白質をコードし、その分子レベルでの機能は明らかではない。本研究ではScAを中心に酵母4遺伝子の突然変異表現型の詳細な解析を進めているが、これまで作製した遺伝子破壊株は表現型の出現にタイムラグがあり、温度変化によって蛋白質の活性を直接制御できる温度感受性変異株が細胞周期機能の解析により適している。そこでScA温度感受性変異株を検索し、変異遺伝子をクローニングした。今後は温度感受性の変異遺伝子への依存性を確認した上で、遺伝子配列中の変異箇所を決定し、温度感受性表現型の詳細な解析を進めるとともに、遺伝的相互作用を示す因子の同定に用いる予定である。
|