1999 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達に関わる新規MAPキナーゼの同定と解析
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11680696
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮田 愛彦 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (70209914)
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Keywords | MOK / キナーゼ / シグナル伝達 / MAPキナーゼ / ESTクローニング / 発がんプロモーター / 細胞周期 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
様々なシグナル伝達系で中心的な役割を果たすMAPキナーゼ(MAPK)スーパーファミリーとして、これまでERK,p38,JNK/SAPKの主に三種が同定・解析されてきた。しかし哺乳類細胞の刺激応答系の多様性を考えると、未同定のMAPK類似分子の存在が予想された。そこで、Expressed Sequence Tag(EST)データベースを既存のMAPKに特徴的なアミノ酸配列を基にコンピューターサーチし、新規MAPKと予想されるクローンを得た。これをプローブとしたヒト及びマウスのcDNAライブラリーのスクリーニングにより、新規キナーゼの全長をクローニングしMOKと命名した。MOKはセリンスレオニンキナーゼに特徴的な配列を持ち、全体としてMAK、MRK及びMAPKにホモロジーが高かった。MOKは様々な組織に比較的広く存在しており、培養細胞に発現させると約48kDaのタンパクとして細胞質に存在していた。MOKはMBPやCyclin B1を良くリン酸化し、自己リン酸化活性を持っていた。また、MOKはactivation loop領域にERKと同じTEYモチーフをもち、このモチーフがキナーゼ活性に必須だった。またフォスファテース阻害剤オカダ酸による細胞処理により活性が増大するので、MOKはリン酸化によって活性化されることが示唆された。従来のMAPKを活性化する血清添加、高浸透圧、アニソマイシン処理ではMOKはほとんど活性化されなかったが、発癌プロモーターであるTPA処理により活性が上昇した。これらの結果からMOKはMAPKスーパーファミリーに属する新しいキナーゼであると結論された。しかし、その活性化刺激と上流因子はこれまでのMAPKとは異なることが予想される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Miyata,Y.: "Molecular cloning and characterization of a novel member of the MAP kinase superfamily"Genes to Cells. 4. 299-309 (1999)
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[Publications] Miyata,Y.: "A strategy to make consitutively active MAP kinase by fusing with constitutively active MAP kinase kinase"Biochimica Biophysica Acta. 1451. 334-342 (1999)
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[Publications] Miyata,Y.: "Distantly related cousins of MAP kinase : Biochemical properties and possible physiological functions"Biochemical and Biophysical Research Communications. 266. 291-295 (1999)
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[Publications] Miyata,Y.: "p53-independent association between SV40 large T antigen and the major cytosolic heat shock protein, HSP90"Oncogene. 19. 1477-1484 (2000)
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[Publications] Schnaider,T.: "Interaction of the human DnaJ homologue, HSJ1b with the 90 kDa heat shock protein,Hsp90"Life Sciences. (in press). (2000)