2001 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母における静止期からの細胞周期開始の分子機構
Project/Area Number |
11680706
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
下田 親 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 太郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30291082)
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Keywords | 分裂酵母 / 胞子発芽 / Cdkキナーゼ / サイクリン / キナーゼインヒビター / 胞子壁 |
Research Abstract |
1.胞子発芽過程におけるサイクリン依存性キナーゼの動態 胞子発芽過程におけるCdkキナーゼ活性はS期の直前に活性が出現することを、すでに見いだしている。Cdc2キナーゼの調節タンパク質であるサイクリンのうち、Cdc13とCig2について胞子発芽時のタンパク質レベルの変動を調べた。その結果、Cdc13タンパク質はS期に先立って現れるのに対し、Cig2タンパク質の出現時期はCdkキナーゼ活性とよく相関することがわかった。次に、CdkインヒビターであるRum1タンパク質の発芽時の消長を調べた。Rum1タンパク質は未発芽胞子中にすでに高レベルで存在すること、S期中に急速に消失することを明らかにした。胞子発芽後の細胞周期の特徴である長いG1期はCig2タンパク質の発現と、Rum1タンパク質の消失により保証されているというモデルを提唱する。 2.胞子壁主要タンパク質p23の細胞内局在の解析 胞子細胞壁の主要タンパク質と考えられているp23については、生化学的な解析からすでに、ゲノムプロジェクトなどで配列が決定されているIsp3と同一のタンパク質であることを証明している。本年度はIsp3とGFPの融合タンパク質を発現させ細胞内局在を見た。胞子形成初期には細胞質に分布したが、胞子が成熟するにつれて、胞子表層に局在した。発芽時の局在を観察したところ、発芽突起部の表層にはGFPのシグナルは認められなかった。したがって、Isp3-GFPは胞子細胞壁の外層に局在するものと結論した。p23のC末端には花粉アレルゲンタンパク質と似たモチーフが存在する。これらの領域を欠失させ、その効果を観察している。
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[Publications] Nakamura, T., Nakamura-Kubo, M., Hirata, A., Shimoda, C.: "The Schizosaccharomyces pombe spo3^+ gene is required for assembly of the forespore membrane and genetically interacts with psy1^+ encoding syntaxin-like protein"Mol.Biol.Cell. 12. 3955-3972 (2001)