1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子millipedeがコードする分泌蛋白質の未梢神経系形成における役割
Project/Area Number |
11680715
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
若松 義雄 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60311560)
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Keywords | 発生 / 未梢神経系 / シュワン細胞 / 分泌蛋白質 |
Research Abstract |
本研究では、申請者が単離した新規遺伝子millipedeがコードする分泌因子を中心とした未梢神経系の発生過程の理解が主目的である。 本年度は以下のような実験を行なった。 (1)millipedeの発現解析 millipedeのmRNAの発現をこれまで調べていなかった5日胚以降について調べた。また、シュワン細胞のミエリン形成に関与するPO遺伝子のcDNAを単離し、発現を比較した。その結果、millipedeは活発に移動しているシュワン前駆細胞で強く発現おり、ミエリン形成が始まってPOの発現が上昇すると、速やかにmillipedeの発現が失われることがわかった。現在、millipede蛋白質の検出のために、合成ポリペプチドをデザインし、抗体の作成を行なっている。 (2)millipede受容体の組織分布の解析 millipedeとアルカリプォスファターゼの融合蛋白質を培養細胞株Cos7に発現させ、その培養上清をプローブとして組織切片を染色し、millipede受容体の組織分布を調べた。固定した組織では非特異的な結合が強く、満足な結果が得られなかったので、無固定組織を用いたところ、神経索、骨格筋、表皮外胚葉などが染色され、millipedeがこれらの組織に働いている可能性が考えられた。 (3)millipede蛋白質の機能 millipedeを胚体で異所的に発現させるため、レトロウイルスにmillipedeを組み込んだ発現ベクターを構築した。しかし、millipedeにつけたタグに対する抗体では発現が確認されなかった。そこで、millipedeの発現ベクターをCos7に導入し、胚に移植した。その効果について現在検討中である。また、単離した組織片に対するmillipedeの影響を見るため、後根神経節、神経管、神経索などをコラーゲンゲル中で培養する方法を確立した。
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