1999 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚のオーガナイザー・脊索形成に関与する新規転写因子の単離と機能解析
Project/Area Number |
11680722
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 洋 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (10211939)
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Keywords | オーガナイザー / 脊索 / 遺伝子発現制御 / 原腸陥入 / Foxa2(HNF3β) / エンハンサー |
Research Abstract |
脊椎動物の基本的なボディープランは原腸陥入時に形成され、その過程ではオーガナイザーと脊索が重要な働きをしている。そこで、本研究では、それらの構造の形成機能を明らかにするため、その形成に関わる新規の転写因子を同定し、その発生における機能を解析することを目的としている。そのために、オーガナイザー・脊索の形成に必須の転写因子であるFoxa2(HNF3β)に注目し、その発現を支配する転写因子の検索を行っている。まず、マウス、ニワトリ、魚(ドワーフグーラミー)のFoxa2のエンハンサーを同定し、種間でのエンハンサー配列の比較を行うことにより、その活性に重要な塩基配列を3つ同定した。その中でも特にConserved Sequence3(CS3)と名付けた配列がエンハンサー活性に必須であったので、CS3に結合する因子を同定するため、マウス胚cDNAライブラリーを酵母one-hybrid法によりスクリーニングし、DNA結合特性上CS3結合因子の候補となる、あるファミリーの転写因子を得た。それらの転写因子は7.5日胚において、Foxa2の発現領域であるオーガナイザー・脊索だけではなく、それを含むような背側領域で背腹の勾配をもって発現していた。この様な発現は、この転写因子がCS3結合因子であることを支持するものであるとともに、この転写因子がオーガナイザー・脊索に限らず、広く胚の背側組織の形成に関与していることを示唆する。この様な発現をを示す転写因子はこれまでには知られておらず、初期胚の背側化を司る新しい機構が存在することが考えられた。今後、CS3結合因子の原腸陥入時の機能を明らかにすることにより、脊椎動物の背側化を支配する新たな分子機構を明らかにできると期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sasaki H.: "Regulation of Gli2 and Gli3 activities by an amino-terminal repression domain: implication of Gli2 and Gli3 as primary mediators of Shh signaling"Development. 126. 3915-3924 (1999)
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[Publications] Ding Q.: "Mouse Suppressor of fused is a negative regulator of Sonic hedgehog signaling and alters the subcellular distribution of Gli1"Curr. Biol.. 9. 1119-1122 (1999)