2002 Fiscal Year Annual Research Report
錐体路の形態形成に関わる脊髄のグリア系細胞環境についての研究
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11680730
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
永島 雅文 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40241319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 雅彦 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70210945)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / デルタ2サブユニット / シナプス後膜肥厚部 / 小脳 / プルキンエ細胞 / 平行線維 / カルシウムシグナリング / バーグマングリア |
Research Abstract |
1)デルフィリン:シナプスにおいてグルタミン酸受容体デルタ2サブユニットと共存して相互作用し、フォルミンと相同のドメインを有する、新しいシナプス後膜肥厚部蛋白(Miyagi et al.:Journal of Neuroscience 22,2002) グルタミン酸受容体のδ2(デルタ2)サブユニットは、のに特異的に発現し、小脳の長期抑圧による運動の記憶・協調やシナプスの形成などに、重要な役割を演じている分子である。このδ2サブユニットと相互作用し、単一のシナプス後膜肥厚部(PDZ)ドメイン、フォルミン(forming)相同ドメイン(FH1、FH2)、およびcoiled-coil構造をもつ新規の蛋白分子を我々は同定し、デルフィリン(delphilin)と名付けた。イースト・ツー・ハイブリッド法および表面プラスモン共鳴(SPR)解析法では、グルタミン酸受容体δ2サプユニットのC末端と、デルフィリンはそのPDZドメインを介して相互作用することが示された。この作用は哺乳動物の細胞によるヘテロ発現系を用いた免疫沈降実験でも確認された。酵母やSPR解析でも、プロフィリン(アクチン結合蛋白)や神経Src蛋白のtyrosine kinaseに対して、デルフィリンがFH1のプロリン・リッチな部分で相互作用する可能性が示された。デルフィリンのmRNAはin situ hybridizationにより、小脳のプルキンエ細胞に最も強く発現していた。デルフィリンのポリペプチドは、小脳のシナプトゾーム膜分画に豊富で、グルタミン酸受容体のδ2サブユニットと免疫沈降した。ポストエンベッディング法による免疫電顕でもデルフィリンは、平行線維とプルキンエ細胞とのシナプス後膜肥厚部に局在し、グルタミン酸受容体のδ2サブユニットと共存していた。これらの知見からデルフィリンは、プルキンエ細胞とのシナプスで、足場となる蛋白のひとつであり、グルタミン酸受容体のδ2サブユニットとアクチン(細胞骨格蛋白)や種々のシグナル分子とを結びつけている事が示唆された。 2)グリア突起はカルシウム透過型グルタミン酸受容体を介してシナプルと接着している(Watanabe : Trends in Neuroscience 25,2002) バーグマングリアは小脳のプルキンエ細胞の樹状突起を被覆し、カルシウム透過型グルタミン酸受容体を強く発現している。ウイルスを介したグルダミン酸受容体(2型)トランスファーにより、グリア細胞とグルタミン酸作動型シナプスの構造的・機能的連結を維持するためには、グルタミン酸受容体を介したが不可欠であることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Miyagi, Y.: "Delphilin : a novel PDZ and forming homology domain-containing protein that synaptically colocalizes and interacts with glutamate receptor delta 2 subunit"Journal of Neuroscience. 22(3). 803-814 (2002)
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[Publications] Watanabe, M.: "Glial process are glued to synapses via Ca(2+)-permeable glutamate receptors"Trends in Neuroscience. 25(1). 5-6 (2002)