2000 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病に見られる神経細胞変性におけるtau蛋白質の役割の解明
Project/Area Number |
11680746
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
村山 洋 麻布大学, 環境保健学部, 講師 (20301781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 明彦 理化学研究所, アルツハイマー病研究チーム, チームリーダー(研究職) (00154774)
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Keywords | アルツハイマー病 / FTDP17 / タウ蛋白質 / 酵母two-hybrid / 神経細胞死 |
Research Abstract |
老年期痴呆の多くを占めるアルツハイマー病の特徴的な脳の病理学的所見は、神経細胞が脱落していることと異常構造物(老人斑、神経原線維変化)が認められることである。アミロイド前駆体蛋白質やプレセニリンの遺伝的変異が家族性アルツハイマー病の原因であり、これら変異が老人斑の主要成分であるアミロイドの産生を増加させることが明らかにされている。すなわち、アルツハイマー病の発症メカニズムにアミロイドが重要な役割を持つと考えられている。一方、神経原線維変化の出現部位において神経細胞の脱落が起こっており、痴呆の程度と神経原線維変化の出現頻度が相関することが知られている。また、痴呆を伴う家族性タウオパチー(FTDP17)からタウ蛋白質遺伝子に変異が見いだされた事実は、タウが微小管結合蛋白質として機能する以外に未知の機能を持つ可能性を示唆している。 本研究では、タウの未知の生理的機能を明らかにしアルツハイマー病を含むタウオパチーにおける神経細胞死にタウがどのように関わっているのかを明らかにする目的でタウと相互作用する蛋白質の検索を行っている。酵母two-hybrid法によりヒト脳cDNAライブラリーからタウに結合するタンパク質としてPAX6とJab1が得られた。これら蛋白質とタウの相互作用の細胞内における役割を検討中である。これまでに、タウがこれら蛋白質の細胞内レベルの調節に関与している可能性を示す結果を得ている。これらの蛋白質は2回独立して行った検索においてくり返し得られたものだが、いずれも核内に存在する蛋白質であるため擬陽性の可能性も否定できない。したがって、慎重を期するために別のライブラリーを用いて検索を再度行っている。培養細胞あるいはモデル動物を用いて詳細な解析を行い、神経細胞死においてこの相互作用がどのような意味を持つのかを明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Honda,T., et al.: "Familial Alzheimer's disease-associated mutations block translocation of"Neurosci.Res.. 37. 101-111 (2000)
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[Publications] Song,S.C., et al.: "Proteolytic processing and degradaiton of human presenilin-1 expressed"Neurosci.Lett.. 282. 65-68 (2000)
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[Publications] Saura,C.A., et al.: "Thenonconserved hydrophillic loop domain of presenilin (PS) is not"J.Biol.Chem.. 275. 17136-17142 (2000)
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[Publications] Takashima,A. et al.: "Mechanism of neuron death in Alzheimer's disease."Neuroscienctific Basis of Dementia (Birkhauser Verlag Basel). 201-207