1999 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質-大脳基底核連関:前補足運動野と帯状皮質運動野から大脳基底核への入力様式
Project/Area Number |
11680747
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
高田 昌彦 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00236233)
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Keywords | 大脳皮質 / 前補足運動野 / 帯状皮質運動野 / 大脳基底核 / 線条体 / 運動制御 / 視床下核 / サル |
Research Abstract |
体性感覚刺激や視覚刺激に対して応答するニューロン活動と皮質内微小刺激により誘発される運動を指標にして、ニホンザルの前補足運動野と帯状皮質運動野(吻側部および尾側部)を同定した。これらの運動関連領野の上肢領域に順行性トレーサーであるWGA-HRPやBDAを微量注入し、線条体と視床下核においてラベルされた線維終末の分布を解析した。その結果、前補足運動野から線条体への入力は尾状核と被殻を連結する線条体ブリッジ領域を中心に、その周辺部、すなわち尾状核の外側部および腹外側部や被殻の内側部および背内側部に分布することが明らかになった。このような前補足運動野からの入力域は線条体の吻側部に位置した。一方、帯状皮質運動野からの入力域も、前補足運動野からの入力域と同様、線条体の吻側部にみとめられたが、帯状皮質運動野吻側部からの入力が主として被殻の中央部にパッチ状に分布するのに対し、帯状皮質運動野尾側部からの入力は被殻の腹外側部に限局して分布することが明らかになった。また、前補足運動野と帯状皮質運動野吻側部からの入力が視床下核の内側部(背腹レベルの中央部)に分布するのに対し、帯状皮質運動野尾側部からの入力は視床下核の背外側部に分布することがわかった。このような研究成果に基づき、平成12年度は、前補足運動野、帯状皮質運動野吻側部、帯状皮質運動野尾側部からの入力と他の大脳皮質運動関連領野(とくに、一次運動野と補足運動野)からの入力が、線条体と視床下核でどのような空間的配列を示すかという点を解析し、「大脳皮質-大脳基底核連関」における運動情報の伝達および処理様式を考察したいと考える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akazawa, T. et al.: "A cortical motor region that represents the ultaneous back muscles in the macaque monkey"Neurosci. Lett.. (印刷中).
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[Publications] Hatanaka, N. et al.: "Direct projections from the magnocellular division of the basal nucleus of the amygdala to the principal part"Brain Res.. (印刷中).
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[Publications] Inase, M. et al.: "Corticostriatal and corticosubthalamic input zones from the presupplementary motor area in the macaque monkey"Brain Res.. 833. 191-201 (1999)
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[Publications] Tokuno, H. et al.: "Corticostriatal projections from distal and proximal forelimb representations of the monkey promary motor cortex"Neurosci. Lett.. 269. 33-36 (1999)
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[Publications] Takada, M. et al.: "Corticostriatal projections from the cingulate motor areas in the macaque monkey, In The Basal Ganglia VI"Plenum (印刷中).
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[Publications] Takada, M. et al.: "Neurobiology of Mastication ? from Molecular to Systems Approach"Elsevier Science B. U.. 441-459 (1999)