1999 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド前駆体蛋白質のシナプス機能への関与と分子機構の解析
Project/Area Number |
11680755
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新延 道夫 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (80135748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持田 澄子 東京医科大学, 助教授 (30096341)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイド前駆体蛋白質 / ラット交感神経節細胞 / エンドサイトーシス / カスパーゼ / アデノウィスルベクター / NT-2細胞 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の原因遺伝子の一つと考えられているアミロイド前駆体蛋白質(以下APP695と略す)のシナプスにおける機能を解析するために実験を行い、以下の結果を得た。(1)ラット交換神経節初代培養細胞にAPP695の25残基のC-末端ペプチドあるいはペプチド抗体を導入し、電気生理学的に神経伝達を解析したところ、EPSPの明らかな低下が認められ、それがシナプス小胞のエンドサイトーシスの阻害に起因することを明らかにしたが、今年度はスクランブルペプチドを用いて、本結果の再現性について調べた。その結果、スクランブルペプチドでは神経伝達の抑制が見られず、両ペプチドを用いた結果に明らかな差が認められ、十分な再現性が得られた。さらに、ペプチド抗体による神経伝達の抑制が適正濃度のペプチドの導入により回復することが認められ、抗体の作用部位がAPP695のC-末端部位に特異的であることが確認された。(2)APP695cDNAを含むアデノウイルスベクターを構築し、初代培養細胞に導入したところ、発現は48時間後にピークに達したが、細胞の変性などは認められなかった。また、神経伝達に対する効果についてはコントロールの選択など難しい点があり、現在検討中である。(3)APP695のシナプスにおける機能を解析するためには結合蛋白質を明らかにすることが必須であるが、そのためのアプローチとして、現在、細胞内及び細胞外領域に対する結合蛋白質をそれぞれのGST融合蛋白質をリガンドとして探索しつつある。昨年の実験において、ヨードラベルしたぺプチドをプローブとして架橋法により細胞内領域に結合する115kDaの蛋白質を見出したが、存在量が極微量のため同定には至っていない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fukuda M.: "Functional Diversity of C2 Domain of Synaptotagmin Family-Mutational Analysis of Inositol High Polyphosphate Binding Domain"J. Biol. Chem. 270. 26523-26527 (1995)
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[Publications] Fukuda M.: "Role of C2B Domain of Synaptoragmin in Vesicular Release and Recycling as Detenuined by Specific Antibody Injection into Squid Syrapse"Proc. Nael. Acad. Sci. USA. 92. 10708-10712 (1995)
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[Publications] Yamaguchi Y.: "Myelin Proteolipid Protein (PLP), but not DM-20, is an Inositol Hexakisphosphate Binding Protein"J. Biol. Chem. 271. 27838-27846 (1996)
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[Publications] Mochida S.: "Roles of Synaptoragmin C2 Domains in Neurotransmitter secretion and Inositol High-Polyphosphate Binding at Mammalian Cholinergic Synapses"Neuroscience. 77. 937-943 (1997)
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[Publications] Mizutani A.: "Regulation of AP-2-Synaptoragmin Interaction by Inositol High Polyphosphates"Biochem. Biophys. Res. Commun. 240. 128-131 (1997)
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[Publications] Uetsuki T.: "Activation of Neuronal Caspase-3 by Intracellular Accumulation of Wild-type Amyloid Precursor"J. Neuroscience. 19. 6955-6964 (1999)