2000 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経疾患、ハンチントン病モデルマウスにおける分子神経生物学的解析
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11680767
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石黒 啓司 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (20211039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 晃司 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 研究技術員 (60278306)
西井 一宏 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 研究技術員 (50278305)
澤田 浩秀 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (30247663)
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Keywords | ハンチントン病 / CAGリピート / モザイク化 / モデルマウス / 線状体 |
Research Abstract |
ハンチントン病(HD)はHD遺伝子のエクソン1の存在するCAGリピートの異常伸長が原因と考えられる神経変性疾患である。ヒト患者では、父親由来のCAGリピートは伸長傾向にあり、患者自身の体細胞遺伝子内のCAGリピートもモザイク化現象が知られている。我々はヒト患者由来の77CAGリピートを持つエクソン1をマウスエクソン1と入れ替えたノックインマウスを作製した。このマウスの遺伝子構造は、ヒトHD患者と同じであるり、全身性に異常ハンチンチン蛋白質が産生していた。このマウスを継代していく過程で、77CAGリピートマウスから、97CAGリピートマウスを得ることができた。このマウスのCAGリピートは77CAGリピートマウスに比し不安定性が高かった。すなわち、世代を経るごとにCAGリピートは伸長傾向があり、現在は104CAGリピートマウスを得ることに成功した。CAGリピートのモザイク化は線条体を中心に非常に強く観察されたが、小脳ではモザイク化は起こらなかった。また、97CAGリピートの体細胞遺伝子のCAGリピートの伸長化は約10週齢から始まっており、このことからも長いCAGリピートは不安定性の高いことが明らかになった。このCAGリピートの不安定性に関与している細胞を特定するために、線条体にエタノールを注入して炎症反応を誘導した。アストロサイトが豊富な領域について検討したところ、CAGリピートのモザイク化は観察できなかった。また、新生児脳からアストロサイトを培養してCAGリピートのモザイク化を検討したが、30世代の継代細胞については陰性であった。77CAGリピートマウスの100週齢ではユビキチン陽性の核内沈着物を確認した。現在、100CAGリピートを持つマウスについて同様の検討を行っており、今後の観察結果に期待される。しかし、核内沈着物を持ったマウスの運動や行動異常等は観察できなかった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Norihiko Nakano: "NTAKalpha and beta isoforms stimulate brest tumor cell growth by means of different receptor combinations."J.Biochem.. 127. 925-930 (2000)
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[Publications] Kouji Yamada: "Characterization of the human NTAK gene structure and distribution of the isoform for rat NTAK mRNA."Gene. 255(1). 15-24 (2000)
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[Publications] Takayoshi Shimohata: "Expanded polyglutamine stretches associated with CAG repeat diseases interact with TAFII130, interfering with CREB-dependent transcription"Nature Genetics. 26. 29-35 (2000)
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[Publications] Yoshiro Nagao: "DMSO and glycerol reduce bacterial death induced by expression of truncated N-terminal huntingtin with expanded polyglutamine tracts."Biochim.Biophys.Acta. 1502. 247-256 (2000)
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[Publications] Yoshihito Tokita: "Regulation of neuregulin expression in the injured rat brain and cultured astrocytes."J.Neuroscience. 21. 1257-1264 (2000)
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[Publications] 石黒啓司: "ニコチン性アセチルコリン受容体を介した遺伝子転写調節"自律神経. 37. 363-369 (2000)
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[Publications] 黒澤良和: "トリプレット・リピートの不安定性の分子生物学的機構"脳の科学. 22. 841-848 (2000)
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[Publications] 石黒啓司: "Gene targetingによる神経疾患モデル"現代医療. 32. 79-85 (2000)