1999 Fiscal Year Annual Research Report
G蛋白共役型受容体の細胞膜への発現を調節する因子の同定とその意義の解明
Project/Area Number |
11680770
|
Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
上園 保仁 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20213340)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 泉 産業医科大学, 医学部, 助教授 (50162649)
|
Keywords | GABA-B受容体 / G蛋白共役型受容体 / heterodimerization / 内向き整流性Kチャネル / Xenopus oocyte / heterologous expression / CFTR / Electrophysiology |
Research Abstract |
GABA(γーaminobutyric acid)は中枢において最も重要な抑制性神経伝達物質であり、その受容体にはイオンチャネル型GABA-A、ならびにG蛋白共役型のGABA-B受容体が存在する。GABA-B受容体の一つ、GABA-B1Rは1997年クローニングが行われ(Nature 1997,386:239-),クローン化受容体遺伝子を用いた発現実験がすすむかに思われたが、クローン化GABA-BRの機能解析が進められないことが判明した。 申請者は以前、rat小脳 mRNAをアフリカツメガエル卵母細胞に注入するとGABA-BRが細胞膜に発現し、受容体の機能的アッセイが可能であることを2つのシグナル経路の活性化を指標として証明した。本研究の研究は、このGABA-BR機能的アッセイ系を用いて、GABA-BRの細胞膜への発現を促す因子をクローニングすることであった。さらにその因子を同定した後は、その因子とGABA-B1Rとを共発現させ、GABA-BRの薬学的特性を分子レベルで明らかにすることであった。 しかし1998年末、GABA-B1Rの細胞膜への発現にはGABA-BRのサブタイプ、GABA-B2Rが必要であることが判明し(Nature 1998,396:683-)、GABA-BRはG蛋白共役型受容体のなかで初めてヘテロダイマーとして機能することが示された。 申請者らは、研究途上にあったGABA-B1Rの細胞膜発現因子のクローニングを中止し、代わりにクローン化されたGABA-B2Rを用いて、卵母細胞発現系におけるGABA-BRの薬理学的性質を検討した。現在までの研究において、GABA-B受容体はGABA-B1R、GABA-B2Rを共発現させた時にのみGABA-Bアゴニストによる反応が見られることがわかった。すなわち、GABA-B受容体はGABA-1RおよびGABA-2Rのダイマーで機能的受容体を形成することがわかった。今後はGABAーB受容体がヘテロダイマーをとるプロセス、ならびにヘテロダイマーを形成した後のシグナルを伝えるメカニズムについて、さらに詳しく解析してく予定である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Uezono,Y.,et al.: "Analysis of signal transdction pathways caused by GABAb receptor subtypes-heterologous expression with Xenopus oocytes."Japanease Journal of Pharmacology. 82,suppl.1. 137 (2000)