1999 Fiscal Year Annual Research Report
βアミロイドにより誘導される胎児性遺伝子群の同定とその神経細胞死への関与
Project/Area Number |
11680771
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
内田 洋子 財団法人 東京都老人総合研究所, 神経病理部門, 研究員 (60133633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 不二也 財団法人 東京都老人総合研究所, 超微形態部門, 助手 (40205620)
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Keywords | βアミロイド / 神経細胞死 / 胎児性抗原 |
Research Abstract |
これまでに、βアミロイド(Aβ)によって誘導される遺伝子群をdifferential displayとNorthern blotによって探索し、その一つはmicrotubule associated protein 1B(MAP1B)であることがわかっている。MAP1Bには、exon1から始まりexon7に終わるtranscriptの他に、exon3Uやexon3Aから始まる2種類のaltemative transcriptがあるが、このうち、Aβ1-42によって誘導されるのは、胎生期に強く発現するexon3Uから始まるtranscriptであった。そこで、exon1から始まるMAP1B constructとexon3Uから始まるMAP1B constructを作成し、それぞれの3'端にmyc-tagを付加して発現ベクターに組み込み、初代培養ニューロンに一過性に強制発現させた。抗myc-tag抗体による免疫組織化学を行い、強制発現されたMAP1Bを可視化したところ、発現強度は導入24時間後に強く、48時間後には減少し、72時間後には消失した。次に、15時間培養した大脳ニューロンにそれぞれのMAP1B constructを導入し、さらに24時間培養した後、培養ニューロンの形態変化を、突起の長さと分岐数について調べた。その結果、exon3Uから始まるMAP1B constructを強制発現させたニューロンは、exon1から始まるMAP1B constructを強制発現させたニューロンに比べ、突起長の短いものが多く、突起の分岐数も少ないことがわかった。以上のことから、Aβによって誘導される胎児性MAP1B(exon3Uから始まるMAP1B)は、ニューロンを未分化な形態にとどめることが推測できる。
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