1999 Fiscal Year Annual Research Report
大脳聴覚野錘体細胞のシナプス特異的なLTD誘発メカニズム
Project/Area Number |
11680784
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
工藤 雅治 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (80153310)
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Keywords | 聴覚野 / LTD / 長期抑圧 / 神経可塑性 / NMDAレセプター / mGluR / 錐体細胞 / ラット |
Research Abstract |
聴覚学習には聴覚野の可塑性が重要と考えられているが、可塑性として長期増強(LTP)とともに長期抑圧(LTD)が重要な役割を果たしていると思われる。本研究では成熟ラット聴覚野スライス標本を用いLTDにつき以下の点を明らかにした。 1)電場電位および錘体細胞EPSPのLTD III層の電場電位、およびperforated patch記録による錘体細胞EPSPはIV層低頻度刺激によりLTDを起こした。これらのLTDはNMDAレセプター(NMDAR)の阻害剤であるD-APVと代謝調節型グルタミン酸受容体(mGluR)の阻害剤であるMCPGの同時投与でブロックされ、LTD誘発にNMDARとmGluRが関与していることが判った。 2) 入力線維とグルタミン酸受容体 聴覚野III層錐体細胞への入力には視床内側膝状体からの線維の他、対側聴覚野、連合野など他皮質からの線維、および皮質内錐体細胞軸索側枝などがある。これら入力シナプスの違いによりLTDに関与するグルタミン酸受容体が違うか、作成スライスの方向を工夫し検討した。その結果、LTDは内側膝状体からのシナプスではmGluRを介して、他皮質からの入力シナプスや皮質内水平結合シナプスではNMDARを介して起こることが判った。 3) LTDに関与するmGluRのサブタイプ groupI(mGluR1、mGluR5)の阻害剤であるLAP3(300μM)でLTDはブロックされたが、mGluR1に選択の高い阻害剤であるAIDA(300μM)でブロックされなかったことから、mGluR5が関与していることが示唆された。
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[Publications] Seki,K.,et al.: "Long-term potentiation of Ca^<2+> signal in the rat auditory cortex"Neurosci Res. 34. 187-197 (1999)
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[Publications] Fujisaki,T.,et al.: "Irreversible impairment of inhibitory neurons and nitric oxide release in the neocortex produced by low temperature and hypoxia in vitro"Neurosci Res. 33. 307-316 (1999)
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[Publications] Sakai,M.,et al.: "Long-lasting enhancement of sound discrimination ability after sound exposure in rats"Neurosci Res. 33. 87-97 (1999)