1999 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白質による神経回路網形成の分子機構の解析
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11680789
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
稲垣 直之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20223216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貝淵 弘三 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00169377)
門田 裕志 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (10294282)
天野 睦紀 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90304170)
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Keywords | Rho-キナーゼ / CRMP-2 / リン酸化 / 成長円錐 / 軸索 / 樹状突起 / 細胞極性 / Rho-GEF |
Research Abstract |
発生脳特異的な新規のGuanine nucleotide exchange factor(GEF)のクローニング 我々は、Rho、Rac、あるいはCdc42の活性制御分子と考えられる新規のGEFを同定しており、それが発生時期の脳に特異的に発現することを見出している。そこでこの新規Rho GEFの全長cDNAのクローニングを行った。このGEFはN-末端にPDZ-ドメインを有していた。現在この分子がRho、Rac、Cdc42のうちどれに対して特異的にGEF活性を持つのかをin vitroの系で検索中である。またこのGEFを培養神経細胞に発現させることによって神経細胞にどの様な形態変化を引き起こすのか検討中である。 Rho-キナーゼの下流分子CRMP2の神経軸索形成及び極性形成に果たす役割の解明 Collapsin response mediator protein2(CRMP2)は発生時期の脳に高レベルに発現する蛋白質で、我々はCRMP2がRho-キナーゼの脳における重要な基質であることを見出している。我々は、このCRMP-2を一次培養海馬神経細胞に高レベル発現させると、神経細胞の軸索が複数形成されることを見いだした。反対にCRMP-2のドミナントネガティヴ体を発現させると、軸索の形成が阻害されて樹状突起のみを持つ神経細胞が生じた。さらに、実際に成長しつつある軸索には内在性CRMP-2が濃縮して存在することも明らかとなった。以上の結果はCRMP-2が軸索の形成に必要であり、CRMP2の細胞内分布が神経細胞の極性形成に重要な役割をはたす可能性を示唆する。またニワトリ後根神経節ニューロンにおいてLPA刺激による成長円錐のコラプスに伴ってCRMP-2がRho-キナーゼによってリン酸化を受けることが明らかとなった。この結果からCRMP-2による軸索の形成の調節にPho-キナーゼによるリン酸化が関わっている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ming,G.-i.et al.: "Phospholipase C-g and phosinositids 3-kinase mediate cytoplasmic signaling in nerve growth cone guidance"Neuron. 23. 139-148 (1999)
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[Publications] 稲垣直之 貝淵弘三: "RhoファミリーGTPaseによる神経成長円錐と軸索ガイダンスの調節"実験医学. 17(16). 2093-2096 (1999)