1999 Fiscal Year Annual Research Report
ノシセプチン誘発微小一過性外向き電流の発生メカニズムと生理機能解析
Project/Area Number |
11680811
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
白崎 哲哉 関西医科大学, 医学部, 講師 (30264047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 哲夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (90144352)
松田 博子 関西医科大学, 医学部, 教授 (10181736)
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Keywords | ノシセプチン / STOCs / SMDCs / 海馬 / 歯状回 / ORLI |
Research Abstract |
生後1-3週齢の野生型(+/+)ノシセプチン受容体ノックアウトマウス、ICRマウスおよびC57BL/6Jマウスから海馬歯状回の顆粒細胞を急性単離した。この急性単離細胞にニスタチンパッチ法を適用し、保持電位-20mVにてSTOCsを記録した。STOCsはコントロール条件下でも記録されたが、ノシセプチン30nM-1μMの投与により振幅および発現頻度が増加した。増強の程度は100mMでほぼ最大に達し、用量応答関係は従来報告されている内向き整流K^+チャネルやHVAおよびLVACa^<2+>チャネルに対する効果と類似していた。ノシセプチンのSTOCs増強効果はノシセプチン受容体拮抗薬と考えられている[Phe^1ψ(CH_<2->NH)Gly^2]]ノシセプチン(1-13)NH_2により抑制されたことから受容体特異的に発現していると考えられる。STOCsの立ち上り時間および1/2減少時間はノシセプチン投与により変化しなかった。ノシセプチン存在および非存在下でのSTOCs発現間隔ヒストグラムは指数関数的に単調に減少し、その時定数は算術平均と一致したことからSTOCsはランダムに発生していると考えられた。STOCsの電流電圧関係は外向き整流性を示し、結果から外挿した逆転電位はK^+の平衡電位に近かったことから、BKチャネルの開口によりSTOCsが発現すると考えられた。STOCs増強効果は非選択性Ca^<2+>拮抗薬であるCd^<2+>により影響を受けなかったことから、細胞膜上のCa^<2+>チャネルはSTOCs発現およびその増強に無関係と判断された。
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