1999 Fiscal Year Annual Research Report
電位依存性L型カルシウムチャネルのtetrad構造と興奮収縮連関
Project/Area Number |
11680813
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
中井 淳一 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (80237198)
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Keywords | 電位依存性カルシウムチャネル / リアノジン受容体 / カルシウム放出チャネル / 興奮収縮連関 |
Research Abstract |
骨格筋、心筋の興奮収縮連関において電位依存性カルシウムチャネル(DHPR)とリアノジン受容体(RyR)は必須の分子である。骨格筋ではDHPRとRyRは分子と分子が直接結合して情報伝達をおこなっていると考えられており、DHPR4分子が1つのRyRと対になっていることが明らかにされている。一方、心筋ではcalcum-induced calcium releaseがその作用機序であると考えられている。リアノジン受容体は3つのisoformがクローン化されているがこれらのisoformの機能的差異を利用して我々は骨格筋型(RyR1)と心筋型(RyR2)のリアノジン受容体のキメラ受容体を解析しリアノジン受容体のDHPRとの機能的結合部位を明らかにした。今回これらの6種類のキメラリアノジン受容体をHEK293細胞に発現させリアノジン受容体の構造と機能の関係をさらに明らかにするべく、カルシウムに対するリアノジン結合能と単一チャネル記録を行った。その結果、RyR1のC末4分の1(RyR1 : 3721〜5037アミノ酸残基)がカルシウムによるRyR1の活性化および不活性化に重要な役割を果たしていることが明かとなった。Bhatらは先にN末のfoot領域を大部分欠失させたmutanntをもちいてN末にcalclium inactivationの部位があると推定したが、今回の我々の結果は彼等のものとは異なっている。これはキメラと欠失mutanntの違いによるものかもしれない。さらにRyR1のfoot領域をRyR2に置換することによってチャネル活性を維持したまま(リアノジンにより単一チャネルレベルでチャネルブロックが起こる)リアノジン結合能を低下もしくは消失させることができることが明かとなった。この結果は高感受性リアノジン結合にfoot領域からのlong-rangeの蛋白構造の変化が関与していることを示唆している。
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Research Products
(1 results)