1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680818
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須藤 カツ子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (50126091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 進和 東京大学, 医科学研究所, 学振特別研究員(PD)
浅野 雅秀 金沢大学, 医学部, 教授 (50251450)
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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Keywords | ケモカイン / SDF-1 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
本研究では、ヒト型ケモカイン遺伝子導入マウスの作製を目的として実験を実施している。免疫不全マウスにヒト免疫細胞あるいは免疫系臓器の一部を移植してマウス体内においてヒト免疫系を再現した SCID-huマウスは現在、ヒト造血細胞分化の研究や感染症・白血病などの疾患モデルとして利用されているが、ヒト型ケモカインの遺伝子導入マウスを利用することにより、実際の生体における免疫細胞の動態をより良く再現したモデルとなることが期待される。その中でも、造血幹細胞のホーミングに関わるケモカインの SDF-1は、ヒト造血幹細胞をレシピエントマウスへ移植した際にマウス造血組織にヒト幹細胞を効率的にホーミングさせるために有効に利用できると考えられる。ヒト造血幹細胞のみの移植によってはレシピエントマウス内でヒトTリンパ球発生は認められないが、マウス胸腺微小環境内においてヒト造血幹細胞はTリンパ球系列へと分化・増殖しうることから、移植したヒト造血幹細胞をレシピエントマウス胸腺組織にホーミングさせることによって、ヒトTリンパ球発生を支持しうるマウスの作出が可能であると考えられる。そこで我々はヒト造血幹細胞移植によりヒトTリンパ球発生を支持するレシピエントマウスの作出を目的として、ヒトSDF-1を胸腺において発現するトランスジェニック(Tg)マウス作製を試みた。Tgマウス作製のための供卵マウスとしてはNOD-scidマウスを用いた。胸腺でSDF-1を過剰発現するためにプロモータにはproximallckプロモータを用い、弱いガンマ線照射で SDF-1 の発現誘導がかけられるようにデザインした。現在、NOD-scidマウス受精卵前核へのDNAマイクロインジェクションによって、トランスジェニックマウスの作出およびラインの確立を実施中である。
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