2001 Fiscal Year Annual Research Report
多因子疾患遺伝子の機能解析のためのスピードコンジェニックマウス作製法の確立
Project/Area Number |
11680828
|
Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
若菜 茂晴 理化学研究所, マウス変異開発研究チーム, チームリーダー(研究職) (90192434)
|
Keywords | 多因子疾患 / NODマウス / コンジェニックマウス / I型糖尿病 / マイクロサテライトマーカー / ヒト疾患モデルマウス / リンパ腫感受性マウス / けいれん感受性マウス |
Research Abstract |
ヒト疾患の多くは多くの遺伝的因子が原因となる多因子疾患であり、その個々の要因を明らかにしていくことは困難である。しかしヒト疾患モデル動物を用いて、比較的軽微な個々の遺伝子変異を他の疾患遺伝子と共存することにより初めて疾患への影響が明らかとなり、多因子疾患における個々の軽微な変異が疾患全体に及ぼす機能的影響をinvivoで効率よく検出するシステムを構築する事が大変重要である。本研究ではインシュリン依存性糖尿病モデル、リンパ腫感受性マウス、けいれん感受性モデルマウスにおいてを各疾患感受性遺伝子の機能を個体レベルで解析するシステム確立することを目的とした。これまでにその方法としてPCR-SSLP多型マーカーを指標として遺伝的背景の置き換えをスピードアップするスピードコンジェニックマウス系統の開発を行ってきた。その結果(1)マウス各染色体に20cMごとにNOD/shi, DBA/2J, C57BL/6J, 129/svj,およびMSM間に多型を示すSSLPマーカーのデータベースを構築した。(2)各バッククロス世代におけるSSLPマーカー検査のための最小調査個体数の検討を行った。(3)重要な糖尿病感受性遺伝子Idd1, Idd3, Idd4, Idd5およびIdd9についてはこれらの遺伝子領域にSSLPマーカーを指標としてC57BL/6J, 129/Svj,およびMSM各系統由来の各染色体領域を導入してコンジェニックマウス系統を作製し、糖尿病発症率の比較等をおこない、それぞれの糖尿病感受性遺伝子のアレルにおける疾患発症における寄与率の差異を詳細に解析するとともに、主要原因遺伝子Idd1をにおいては遺伝的背景における発症の差異を明らかにすることができた。これらのマウスは今後各遺伝子座における発症メカニズムの解明に寄与することと思われる。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Kikkawa Y: "Microsatellite database for MSM/Ms and JF1/Ms, molossinus-derived inbred strains"Mamm Genome. 12. 750-752 (2001)
-
[Publications] Saito Y: "Genetic loci controlling susceptibility to gamma-ray-induced thymic lymphoma"Oncogene. 37. 5243-5247 (2001)
-
[Publications] Nishimura M: "Reduced sensitivity to and ras mutation spectrum of N-ethyl-N-nitrosourea-induced thymic lymphomas in"Mutat Res. 486. 275-283 (2001)
-
[Publications] Maruyama C: "Overexpression of human H-ras transgene is responsible for tumors induced by chemical carcinogens in"Oncol Rep. 2. 233-237 (2001)
-
[Publications] Aso S: "The eye lens aplasia(elap)maps to mouse chromosome 2"Esp Anim. 50. 97-98 (2001)