1999 Fiscal Year Annual Research Report
新たに分離したヘリコバクターを感染させたスンクスの胃内免疫機構の解析
Project/Area Number |
11680829
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
後藤 一雄 財団法人 実験動物中央研究所, 動物医学研究室, 研究員 (00205593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江袋 進 財団法人 実験動物中央研究所, 飼育技術研究室, 研究員 (20281595)
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Keywords | 抗生物質 / スンクス / 病原性 / ヘリコバクター |
Research Abstract |
"Helicobacter suncus"に自然感染しているスンクス6匹と実験的に感染させたスンクス3匹、および本菌に感染していないスンクスをもちいて胃の病変を組織学的に比較した。 [抗生物質による"H.suncus"の除去]:われわれの施設で維持されているスンクスはすべて本菌で汚染されていることが確かめられている。このため本菌フリーの動物を得る目的で妊娠動物7匹の飲水中にテトラサイクリン(0.4g/l)を8週間(交配1週間、妊娠期間4週間および仔の保育期間3週間)添加した。得られた仔動物17匹に離乳後1週間、同様にテトラサイクリンを与えた。2週間の休薬期間後、本菌除去の有無を培養法およびPCR法で確認したところ17匹中6匹が除菌されていた。[感染実験]:上記6匹の"H.suncus"フリーのスンクスのうち3匹に5×10^7 colony forming units (cfu) /mlの"H.suncus"を0.4ml経ロ投与し、残りの3匹はコントロールとしてPBS0.4mlを経口投与した。1週間後、これら6匹の動物と本菌に自然感染したスンクス6匹から胃を採材し、組織学的に比較した。自然感染および実験感染群ではそれぞれ0.8-2.8×10^7 cfu/gおよび0.1-1.0×10^6 cfu/g菌が分離され、いずれの胃にも胃炎が観察されたのに対し、本菌フリーの動物からは菌が分離されず、病変も見られなかった。自然感染および実験感染した動物の胃炎はともに単核球主体の炎症であり好中球の浸潤はわずかであった。来年度は本病変の特徴をマウスおよびヒトのそれと比較することによってヒト-H.pylroiモデルとしての可能性を探りたい。
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