1999 Fiscal Year Annual Research Report
パイロ素子及び微少酸素電極による屋外計測に向けた酸素摂取量計測システムの開発
Project/Area Number |
11680835
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
新関 久一 山形大学, 工学部, 助教授 (00228123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 嘉巳 山形大学, 工学部, 教授 (30001689)
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Keywords | pyro素子 / 呼吸流速計 / ARXモデル / 酸素摂取量 |
Research Abstract |
日頃運動を継続して行うことが健康や体力を維持する上で良いことは誰でも認識しており、身体活動の指標となるエネルギー代謝量を把握することは健康管理を処方する上で有益な示唆を与えることになる。特に高齢者においては適正な運動処方のもとで健康管理を図ることが望まれる。エネルギー代謝の計測は酸素消費量を測定することが最も正確な方法ではあるが、フィールドにおける測定が困難なことから、歩行態様を含む歩行運動量や心拍数、あるいはそれら両者の線形重回帰をもとに推定されてきた。このような状況から本研究では、個人でも使用可能なフィールド向けの酸素摂取量の計測法を開発することを目的とした。具体的にはPyro効果を利用した小型呼気流速計を開発し、半導体微細加工技術によって生まれた微小酸素電極を組み合わせることによって、野外での運動中の酸素摂取量をリアルタイムに計測しようとするものである。今年度は薄膜型pyro素子を用いた呼吸流速計の開発を行った。 呼吸用face maskのガス流入ポートに容量100ml程度のアクリル性のmixing chamberを接続し、このチャンバーの外側と内側にPolyvinylidine fluoride(PVDF)を素材とする薄膜素子を固定した。外側の素子を基準として、内側の素子から呼吸に伴う熱流速を検出し、各素子からの出力を電流-電圧変換回路で増幅後、差動増幅器を介して呼吸流速の変化を電圧として取り出した。Sinusoidalポンプを用いて37℃の空気を押し出す肺モデルを作成し、センサの出力特性を調べた。ポンプの流速を増すごとにセンサの出力は増大し、pyroセンサは熱流速を検出していることが確認された。次にmixing chamberに熱線流速計を接続し、被験者が安静時にランダム呼吸を行った時のpyro素子の出力と熱線流速計の出力間の伝達関数をARXモデルを用いて推定した。pyro素子の出力に安静時に計測したインパルス応答を乗ずることで呼気流速波形を推定し、種々の運動負荷における一回換気量を求め、熱線流速計で実測された値と比較した。その結果、個人毎にcalibration係数は異なるものの運動時の一回換気量を相関係数0.85以上で計測できることがわかった。今後は微小酸素電極と組み合わせて酸素摂取量の計測システムの開発を目指す。
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Research Products
(1 results)