2001 Fiscal Year Annual Research Report
血栓症治療における超音波照射併用療法効果の技術的検討-最適周波数・照射モード・マイクロバブルの特性について-
Project/Area Number |
11680839
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山田 典一 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (60303731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 長也 本多電子株式会社, 研究開発本部, 係長(研究職)
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Keywords | 血栓溶解 / 超音波周波数 |
Research Abstract |
照射超音波周波数の血栓溶解率に対する影響 臨床応用の視点から血栓融解に効果的で、超音波照射による生体への障害を少なくする超音波発振周波数を調べた。 【方法】ヒトより採血した血液を5mlずつ試験管に入れ、試験管をセロハンで密閉して24時間静置させ,血栓を生成した。次に,血栓の重量を電子天秤により測定し,超音波を透過させるシリコン製容器に生理食塩水を満たした状態で,作製した血栓を入れた.37度の水温中にシリコン製容器を固定し超音波照射時間は40分とした。 超音波発振装置は300kHz以下ではラジュバン型を使用し、500kHz以上ではPZTを使用した。発振周波数はファンクションジェネレータとパワーアンプを用いて変化させた。超音波のパワー(一定時間内の照射エネルギー)は周波数を変化させても一定となるよう事前に超音波出力を測定しそのようなパワーとなるようアンプの出力電圧を調整した。 血栓溶解率は電子天秤で血栓重量を量る方法で超音波照射開始時と終了時に測定して行った。この方法では血栓が壊れやすく連続的に測定できないため、連続的に溶解速度を間接的に推定する方法としてレーザー光用いて血栓周囲の血清透過度の変化を測定し溶解度を推定した。 【結果】 今回の実験では,照射の強さを0.75Wに固定して同じ条件で行ったにも関わらず,溶解率に大きな相違が生じており,周波数250kHzは1500kHzの溶解率の3倍程度異なり、170kHzと250kHzでは250kHzが2倍以上溶解率が大きく、検査範囲内では250kHzをピークとする特性、即ち静脈血栓にはその性状を反映して最適な周波数が存在することが確認された。 また、レーザー光による透過度の連続測定結果では時間の経過とともに指数関数的に血栓溶解が進行することが推測された。
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