1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680846
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
小山 浩幸 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (40052881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 隆志 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (90011030)
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Keywords | 消化器系 / 大腸・小腸 / 検査・治療 / 消化管内観察 / 検査支援ロボット / 管内移動ロボット / CCDカメラ / 画像情報 |
Research Abstract |
本研究は、大腸、小腸を移動できるCCDカメラ視覚システムを搭載したロボットとして、形状記憶合金を用いた移動ロボットと空圧を利用した移動ロボットの製作、モデル消化管内走行実験から比較検討を行い、消化管内移動用として最適なロボットを開発することを目的とする。このため、2種類のロボット開発とCCDカメラ画像の取り込み、さらに一つのCCDカメラによる目標部位までの距離計測手法の開発により消化管内の視察を目指すもので、平成11年度は以下の項目について実施した。 1.消化管内移動ロボットの動作を検討した結果、生物の移動メカニズムとしてミミズの伸縮匍匐運動を利用するものとした。 2.形状記憶合金を用いた移動ロボットの機構は、ねじりコイルばね型の管内保持部と、管内保持部を前後につけたコイルばね型の推進部から構成し、二方向性形状記憶合金を用いた。 3.二方向性形状記憶合金を用いたねじりコイルばね型は直接通電により加熱したときに管内を保持するようにした。コイルばねは加熱したときにばねが伸び、冷却により縮むようにした。二方向性形状記憶合金の熱処理条件を決定した上で各部のばねの試作を行った。 4.管径20mmを移動可能なこととしてロボットの設計製作、モデル管内移動実験を行った。ロボットの総重量6g、伸びた状態で全長100mmで、形状記憶合金に直接通電(DC3V)により管内を移動させた結果12mm/minの速度で前後進できることを確認した。 5.空圧を利用した移動ロボットの機構は、ゴム膜が半径方向に膨らむ管内保持部と管内保持部を前後につけたゴム製ベローズによる推進部及びカメラ部から構成され、CCDカメラ取り付け、配線コードのために中心部を中空にした。ロボットの総重量105g、伸びた状態で全長90mmで、移動速度90mm/minでモデル管内を前進できることを確認にした。 6.形状記憶合金を用いたロボットは小型CCDカメラの搭載ができないため、空圧を利用した移動ロボットにカメラを搭載した。管内に設置した腫瘍モデルを目標にして画像の明瞭度の確認実験を行った結果、光量不足により鮮明な画像が得られなかったため、今後改良する必要がある。 7.ロボットの動作、カメラ搭載を2〜5の結果に基づき評価した結果、形状記憶合金を用いた移動ロボットは冷却方法やカメラ搭載の問題及び配線コードが管内の摩擦によりロボットが動作しない状態があったため、空圧を利用した移動ロボットにより小型化を図ることとした。
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