2000 Fiscal Year Annual Research Report
超音波による生体内部変位の計測に基づく生体組織の剪断弾性特性の断層映像化の研究
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11680852
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山下 安雄 日本大学, 生産工学部, 教授 (30112783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 光博 東海大学, 医学部, 講師 (40119673)
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Keywords | 生体組織の弾性係数分布 / 超音波による変位計測 / 断層映像 / 型さ分布 / 触診の定量化 / 非圧縮生体組織 / 有限要素法 / 剪断弾性係数分布の再構成 |
Research Abstract |
1.生体組織の非圧縮性を考慮に入れて、組織局所領域での歪が応力との間に剪断弾性係数をパラメータとして成立すべき構成方程式(歪-応力の関係式)、ならびに、応力分布の力学的平衡方程式を導出し、有限要素法を適用して変位-応力-剪断弾性係数の関係を線形方程式として表現した。この手法に基づいて、測定対象領域を微小な有限要素に分割し、各要素内の剪断弾性係数を一定値と仮定し、さらに歪を変位分布から近似して、最終的には変位-剪断弾性係数から成る線形方程式を確立した。 2.生体軟部組織に加圧した場合に組織内部に生じる微小な変位を計算する数値シミュレーションを行い、この変位を用いて剪断弾性係数を再構成した。変位の測定雑音が十分に小さければ本手法により剪断弾性係数の分布を再構成できることを確認した。しかし、変位が高精度で測定できない場合は、剪断弾性係数の再構成の精度も分解能も低下するのが知られた。 3.弾性係数が既知である種々の硬さ分布を有する生体軟組織類似ファントムを作成し、これに任意の加圧様式で三次元的に加圧した一般の触診状況を設定した。平成11年度の設備備品費で購入した高速A/Dコンバータを用いて、加圧前後のプローブ用超音波RFエコー信号を受信・記録した。超音波RFエコー信号から二次元相関法を利用して、生体軟組織類似ファントム中の変位分布を稠密に算出した。 4.測定した変位分布を変位-応力-剪断弾性係数の平衡方程式に代入することによって、軟部組織類似ファントム内部の剪断弾性係数の分布を逆推定し、相対的な硬さの分布として映像化した。今回の実験では、超音波RFエコー信号から変位を精度高く推定できず、剪断弾性係数分布の再構成は精度・分解能とも低い結果となった。
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[Publications] Y.Yamashita,M.Kubota: "Imaging of the tissue elasticity based on ultrasonic displacement and strain measurements"Acoustical Imaging. 24. 349-360 (1999)
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[Publications] Y.Yamashita,M.Kubota: "Elasticity imaging of incompressible biological soft tissue from incomplete ultrasonic displacement data"Acoustical Imaging. 25. 461-468 (2000)