1999 Fiscal Year Annual Research Report
計算力学的手法によるコラプシブルチューブと拍動流れの連成問題の解析
Project/Area Number |
11680855
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
坂東 潔 関西大学, 工学部, 教授 (70156545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 篤 関西大学, 工学部, 助手 (50162334)
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
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Keywords | 計算力学 / 拍動流 / 数値シミュレーション / 連成問題 / 有限要素法 / コラプシブルチューブ / 血流 / バイオメカニクス |
Research Abstract |
動脈内の拍動流をコラプシブルチューブを伝播する単一脈波としてモデル化し,チューブ則を用いることにより流れと管壁との連成問題を一次元問題として解析した。同時に,天然ゴム製チューブ中の単一脈波伝播に対する圧力波形の計測実験を行った。その結果,解析に用いるチューブ則は,座屈発生点近傍で補正を行う必要があることを示した。この補正を行わないと圧力波形が伝播とともに突立つ数値的不安定が発生する。さらに流体の粘性の影響を等価ウォマスリー数を用いて評価する方法を示した。 チューブ則はチューブの材質,座屈特性および内面間の接触開始条件に依存し,きわめて強い非線形変化を示すため,通常は実測によりチューブ則が求められる。このチューブ則を二次元計算により数値的に求める方法を示し,また実測値との比較を行った。そしてチューブ内腔体積をチューブ長で割ってチューブ則を実測する方法には,接触領域で大きな誤差が含まれること,および座屈発生点近傍ではチューブの初期不整を正確に算定する必要があることを示した。 血管内拍動流の数値シミュレーションを行う準備として,血管壁を剛体壁,血液をニュートン流体と仮定して,大動脈弓内の拍動流に対する三次元数値シミュレーションを行った。大動脈弓はテーパ付きU字管としてモデル化し,流れの基礎式としては非圧縮性流体の連続の式,およびナビエ・ストークス方程式を用いた。計算結果の妥当性を調べるため,レーザ誘起蛍光法による速度分布の計測結果との比較を行い,さらに断面内二次流れの流れ方向への変化に対する計算結果を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kenkichi Ohba, Kiyoshi Bando, et al.: "Numerical Simulation and Experimental Verification of Wave Propagation in a Collapsible Tube"JSME International Journal. Ser.C,42-3. 697-705 (1999)
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[Publications] 上村匡敬,大場謙吉,坂東潔: 日本機械学会論文集. B編(掲載予定). (2000)
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[Publications] Kenkichi Ohba, Kiyoshi Bando, et al.: "Clinacal Application of Computational Mechanics to the Cardiovascular System"Springer-Verlag Tokyo (掲載予定). 15 (2000)