2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680859
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
津田 良一 九州東海大学, 応用情報学部, 助教授 (40117403)
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Keywords | 仮現運動 / 脳内電源推定 / ダイポール軌跡 / SQUID / 脳磁図 / 外有線皮質 |
Research Abstract |
平成11年度の研究において、運動知覚関連電位の特徴として、右後頭部から側頭部にわたる領域で陽性電位が優位に出現することを示した。この電位分布を発生させる脳内電源の局在推定を行うため、仮現運動知覚に伴う脳磁図を計測し、電源位置の軌跡を追跡した。その結果、仮現運動知覚に関連した電源が刺激提示後の潜時180msec近傍において視覚野の外有線皮質に推定された。この外有線皮質には運動刺激に応答する運動関連ニューロンが大多数を占めるMT野(Middle temporal area)を含んでおり、この領域を含んだ部位の活動が脳磁図に反映されたものであることがわかった。電源の軌跡をMRI上にオーバーレイした結果、電源の位置は時間の経過につれて外有線皮質から、側方かつ深部の方へ移動していた。運動視はMT野以降、MST野から上位レベルでの処理を経て認識されると考えられており、仮現運動刺激の提示によって、外有線皮質内の運動関連ニューロンが活性化された後、運動の認知に関する上位処理が側頭葉内側で行われている可能性がある。 連続往復提示時の運動知覚関連電位の特徴である後頭部から側頭部にかけての優位な陽性電位分布は外有線皮質の活動を反映したものと考えられた。一方、連続往復提示における運動知覚状態と運動消失状態のそれぞれの区間における定常誘発電位については、現時点では有意な差は見出されなかった。連続運動提示において形成される2つの心理状態は、刺激後の潜時200msecよりも遅い潜時範囲での活動の可能性はあるが、電源の深さやその方向のために、脳波では検出できなかったものと思われる。
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[Publications] Ryoichi Tsuda: "Source Localization of Visually Evoked Magnetic Fields to Stimuli in Apparent Motion"IEEE Transaction on Magnetics. (発表予定). (2001)
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[Publications] Ryoichi Tsuda: "Measurement and Analysis of Visually Evoked Magnetic Fields to Stimuli in Apparent Motion"Proceedings of Biomag2000. (発表予定). (2001)