2000 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質内部構造のイメージングを目指しこ走査型磁気共鳴顕微鏡に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11680861
|
Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
須田 隆夫 鹿児島工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (10163031)
|
Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 / 磁気力顕微鏡 / チトクロムC / フェリチン / アポフェリチン |
Research Abstract |
磁気共鳴力顕微鏡(magnetic resonance force microscopy:MRFM)によるマイクロイメージングの実現を目指して、走査型プローブ顕微鏡の磁気力測定法の検出感度、性能限界の評価検討をおこなった。昨年度に引き続き常磁性分子による磁気力像の検出について、常磁性酸化鉄を含む蛋白質であるフェリチンと、活性中心に鉄イオンをもつ還元酵素チトクロムC、それぞれについて検討した。フェリチンについては常磁性酸化鉄を含むフェリチンと、酸化鉄を含まないアポフェリチンの磁気力像を比較した。チトクロムCについては導電性透明電極(ITO)上ないしはITO上に作製されたポリアニリン膜に吸着させたチトクロムCについて、電極電位により酸化状態と還元状態にしたものを比較した。測定は走査型プローブ顕微鏡(セイコーインスツルメンツ製SPI-3800)の位相モードによる磁気力測定(magnetic force microscopy:MFM)を使用し、磁化した磁性カンチレバー(CoCr系磁性体コート)のみを用いる場合と、約0.1Tのバイアス磁界を印可した場合について測定した。なおバイアス磁界はプローブ顕微鏡のピエゾアクチュエータの試料台にNdBFe磁石を固定することにより実現した。フェリチン、アポフェリチンともに蛋白質の1つ1つが確認できる像が得られたが、常磁性粒子の存在を磁気力像として捉えるまでの解像度が得られなかった。チトクロムCについてはITO上では集合体として観察されたが、酸化還元状態による像の変化は明確には観察されなかった。また、ポリアニリンに吸着させたチトクロムCについても酸化還元状態の差異は観測されなった。
|