2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11691013
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES |
Principal Investigator |
加賀谷 良平 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70014511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 茂樹 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (10134751)
湯川 恭敏 熊本大学, 文学部, 教授 (20011299)
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Keywords | 環ビクトリア湖 / バントゥ諸語 / 語彙調査 / 音韻 / 音調調査 / 文法調査 / 地域言語学への貢献 / 一般言語額理論への貢献 / 消滅の危機 |
Research Abstract |
本年度は3年計画の最終年度に当たるが、ほぼ当初計画通りの調査を行った。以下に、今年度調査した言語(括弧内は国名)を示す。加賀谷;グウェレ語(ウガンダ),ソガ語(ウガンダ),クワヤ語(タンザニア),湯川;カンバ語(ケニア)、エンブ語(ケニア)、メル語(ケニア)、ザラガ語(ケニア)、梶;アンコーレ語(ウガンダ), 以上の他にも研究協力者により、ケレウェ語(小森純子、タンザニア),ベンデ語(阿部優子、タンザニア),バチャ語(神谷俊郎、南アフリカ),マー語(R.Besha、タンザニア),スンブワ語(K.Kahigi、タンザニア)の調査を行った。 以上の調査言語のほとんどでは,ほぼ2000語におよぶ語彙,音声,音韻,文法等の全般的な調査と分析を行ったが,一部の言語に関しては引き続き調査が必要であると思われる。 この3年間の調査自体はほぼ満足すべきものであるが,アフリカ諸国の言語の多くは消滅の危機にあり,現在を除いてはその記述・記録が不可能となること,また急激な社会変化により、多くの言語が歴史上見られなかったほどの早さで変化していることなどを考えると,アフリカ諸言語の調査分析から得られる成果はきわめて重大であり,これまでの言語理論の精密化や新たな理論的展開が十分に期待できる。アフリカはいわば壮大な言語実験場であり,幾つかの言語の定点観測を行いつつ,経験の深い優秀な調査者がより精力的に調査を行う必要があると痛感する。 この3年間の調査結果は,言語学会,アフリカ学会や多くの学会誌等を通じて発表してきたが、今後も多くの成果発表を予定している。また別途の論文集として出版する予定である。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 加賀谷 良平: "ショナ語ゼズル方言の名詞の音調分析"アジア・アフリカ言語文化研究. 62. 1-32 (2001)
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[Publications] 加賀谷 良平: "バントゥ諸語と日本語の音調基礎構造試論"梅田博之教授 韓日語文学論叢(太學社,ソール). 1077-1100 (2001)
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[Publications] 加賀谷 良平: "ショナ語マニィカ方言の動詞音調形"アジア・アフリカ言語分化研究. 59. 139-170 (2000)
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[Publications] 湯川 恭敏: "グシイ語動詞アクセント試論"アジア・アフリカ文法研究. 30(近刊). (2002)
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[Publications] 湯川 恭敏: "クリア語動詞アクセント試論"アジア・アフリカ言語文化研究. 63(近刊). (2002)
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[Publications] 湯川 恭敏: "ニョロ語動詞アクセント試論"熊本大学言語学論集. 1. 61-102 (2002)
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[Publications] 湯川 恭敏: "ブクス語動詞アクセント試論"熊本大学言語学論集. 1. 103-176 (2002)
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[Publications] 梶 茂樹: "バントゥ諸語の声調-そのタイプ-"音声研究. 5巻1号. 37-45 (2001)
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[Publications] 梶 茂樹: "世界の声調・アクセント言語"音声研究. 5巻1号. 8-10 (2001)
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[Publications] 梶 茂樹: "ハヤ語の母音と声調-『ハヤ語語彙集』に関連して-"アジア・アフリカ文法研究. 29. 181-191 (2001)
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[Publications] 小森 淳子: "ケレウェ語のテンス・アスペクトージタ語の干渉による形式の変化と類似化-"スワヒリ&アフリカ研究. 12(印刷中). (2002)
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[Publications] 小森 淳子: "他言語社会の言語選択-タンザニア・ウケレウェの事例から-"多中心主義の構築-アフリカのことばと社会から考える(宮本正興・松田素二編). (近刊). (2002)
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[Publications] 小森 淳子: "言語接触による語彙の変容-ケレウェ語とジタ語にみられる語彙の類似化-"文部科学賞特定領域研究(A):言語崩壊時に生ずる言語現象の動態的研究(稗田乃編). (近刊). (2002)
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[Publications] 小森 淳子: "言語接触と語彙の類似化-ケレウェ語とジタ語(タンザニア・ウケレウェ)の例"文部科学省研究補助金平成12年度特定領域研究研究報告書:言語接触において生ずる言語現象の諸問題(稗田乃編). 33-73 (2001)
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[Publications] 梶 茂樹: "A Haya Vocabulary"東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. (2000)