2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11691027
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
田村 晃一 青山学院大学, 文学部, 教授 (30082613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 信行 青山学院大学, 文学部, 教授 (00178980)
鈴木 靖民 国学院大学, 文学部, 教授 (20052160)
宇田川 洋 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50107520)
酒寄 雅志 国学院大学, 栃木短期大学, 教授 (90187055)
大貫 静夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (70169184)
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Keywords | ロシア / 沿海州 / 土城 / 渤海 / クラスキノ / 日本道 / 甕城 / 日渤関係史 |
Research Abstract |
本研究は古代国家渤海の五道のうち、「日本道」に関連する遺跡に対する考古学的調査の実施を目的とする。その主たる対象遺跡は、ロシア沿海州の東南端、ポシェット湾沿岸に位置するクラスキノ土城である。今回は平成11・12年度の2年にわたり、すでに田村が中心となって平成10年度に行なった発掘を継続することが主たる目的であった。平成11年度は東門の甕城部分の調査、東側城壁に設定されたトレンチ部分の調査、及び城壁南側の測量調査などを実施した。 平成12年度は、まず4〜5月に2週間、草が成長していない時期をえらんで城内一帯の測量、ならびに西壁の測量を実施した。しかしまだまだ寒さが厳しく、測量調査は予定の半分ほどしかできなかった。しかしながらロシア測研究者の主張する南門から城内を縦断するような低地帯のあることは確認できた。これが、いわゆる中央大街に該当するかどうか、極めて注目される。 8〜9月の現地での発掘調査は、ロシア側の事情で招待ビザの発行に難行し、直前になって観光ビザしかおりないことが判明したので、観光ビザで一ヶ所での長期な調査は、万一の事故の場合に対応に苦慮するおそれがあることから、発掘調査はとりやめ、急遽、9月中旬の小人数での踏査旅行と、3月にウラジオストックでのクラスキノ土城出土遺物の調査を行なうことに切り替えた。 9月の踏査旅行は、これまでまだ踏査を行なっていなかった海岸地帯の遺跡を歩くこととし、チュグエフカ土城、パブロフカ土城などを踏査した。3月の遺物調査は極東研究所に保管してある、ロシア側の調査資料、とくに瓦類の調査をおこなった。これらの成果は報告書にて報告する。
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[Publications] 田村晃一: "渤海の土城・山城・寺院"アジア遊学. 6号. 54-60 (1999)
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[Publications] 田村晃一: "渤海の瓦当文様に関する若干の考察"青山史学. 19号. 1-15 (2001)
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[Publications] 田村晃一 他: "渤海との交流を示す考古資料の材質分析的研究"田村晃一. 50 (2000)
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[Publications] 田村晃一 他: "古代国家渤海と日本の交流に関する考古学的調査"田村晃一. 88 (1999)