2000 Fiscal Year Annual Research Report
アジア漢文化地域の民俗宗教に関する宗教人類学的研究
Project/Area Number |
11691030
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 宏幹 駒澤大学, 文学部, 教授 (30052426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 欣雄 東京都立大学, 人文学部, 教授 (90103209)
崔 吉城 広島大学, 総合科学部, 教授 (80236794)
佐藤 憲昭 駒澤大学, 文学部, 教授 (50102687)
佐々木 伸一 京都外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30175377)
小松 和彦 国際日本文化研究センター, 教授 (90111781)
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Keywords | 東アジア / 漢文化 / 民俗宗教 / シャーマニズム / 仏教 / 道教 / 北アジア / 東南アジア |
Research Abstract |
2000年度の調査の狙いは、アジア漢文化地域の民俗宗教の性格と機能をフィールドワークに依拠しながら明らかにするとともに、できるだけ比較の視点を導入し、漢文化地域の民俗宗教のヴァリエーションを析出することにあった。民俗宗教は儒教・仏教・道教・シャーマニズムを含む土着宗教の複合形態とされてきた。過去3年にわたりシャーマニズム文化を広域にわたり究明し、その大体の特徴と役割が明らかになった現状に鑑み、シャーマニズムを含む生活化された宗教、つまり民俗宗教の領域に踏み入った訳である。 フィールドワークの結果を総括すると、以下のようになろう。 (1)漢族の宗族組織が祖先崇拝という儒教を宗教的イデーとする宗教形態とどのように関連しあっているかにアプローチし、その機能的側面を明らかにしようとした。 (2)湖北省と河南省を比較の地域とし、両地域の宗教職能者一般の宗教的性格、相互関係、役割関係を調査分析し、仏教・道教・シャーマニズムの相互関係を動態的に究明しようとした。 (3)韓国のポサルや占い師を対象に調査し、ポサルや占い師が仏教・儒教とシャーマニズムを媒介しようとしている位相に迫ろうとした。 (4)中国のシャーマニズムとロシア・モンゴルのそれとを比較し、広域のシャーマニズム文化を総体的に捉えようとした。 (5)漢民族の世界観を再構築することを意図した分析モデルを提示し、あらゆる現象は一元的に統合されるという漢族的思考の枠組みを提示した。
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