2000 Fiscal Year Annual Research Report
太平洋島嶼国における芸術とアイデンティティ-太平洋芸術祭を焦点として-
Project/Area Number |
11691035
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
山本 真鳥 法政大学, 経済学部, 教授 (20174815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棚橋 訓 慶應義塾大学, 文学部, 助教授 (50217098)
豊田 由貴夫 立教大学, 文学部, 教授 (20197974)
船曳 建夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90165457)
安井 眞奈美 天理大学, 文学部, 専任講師 (40309513)
橋本 裕之 千葉大学, 文学部・日本文化学科, 助教授 (70208461)
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Keywords | 芸術 / 太平洋 / アイデンティティ / パフォーミング・アーツ / 芸術祭 / 国民文化 / 文化政策 / 観光開発 |
Research Abstract |
・ 豊田・橋本・安井は夏休み中に別日程で事前調査に出かけた。各国の準備状況を目の当たりにして調査を行うことができた。それぞれの地の政治・経済状況が芸術祭に代表を送ることと深く関わっていることが検証できた。 ・ 芸術祭は、学期中であったが、山本・船曳・豊田・橋本・安井が現地入りして、多くの観察を行うことができた。残念ながら、勤務校の都合で、棚橋は芸術祭の時期に大学を離れることができず参加できなかった。 ・ 芸術祭期間中はプレス登録をしたので、会期中の様々な情報を速やかに得ることができる立場にあった。また、芸術祭の主催者へのインタヴューや、シンポジウムの傍聴などにより、様々な資料や情報を得ることができた。 ・ 芸術祭の主たるテーマである伝統的な歌とダンスのパフォーマンスの観察、その他、文化遺産の展示、新しい創作芸術の展示、映画、写真展、入墨の実演、彫刻や工芸品の創作実演、文学の朗読会兼シンポジウム、演劇、創作ダンスの公演、ファッションショーなどの観察を実施した。 ・ 山本は、3月に再度海外調査にでかけ、オークランド大学で過去の芸術祭ビデオを見、また、ニューカレドニアで、関係者に芸術祭の成果に関するインタヴューを行った。 ・ 安井は、3月に再度グァムでの調査を行い、芸術祭の成果と新しい創作芸術についてインタヴューを実施した。 ・ 芸術祭の主催自体が、それぞれの国の国内事情や文化状況と深く関わっている。ニューカレドニアに関しては、フランスからの独立の可能性の生じてきている今、カナク文化をニューカレドニアのアイデンティティの正面に据えることは、先住民であるカナクにとって大きな意味を持っていた ・ また、それぞれの国の送り出す代表団の構成や文化の提示方法などが、それぞれの国の国内事情や文化状況とさまざまな絡まり方をしていることが解釈できる。
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Research Products
(16 results)
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[Publications] 山本真鳥: "近くて遠い隣人らたち-近代史のなかの西サモアとアメリカ領サモア"吉岡政徳・林勲男編『オセアニア近代史の人類学的研究』国立民族学博物館研究報告. 別冊21号. 347-374 (2000)
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[Publications] 山本真鳥: "第8回太平洋芸術祭調査に向けて"須藤健一編『オセアニアの国家統合と国民文化』JCAS連携研究成果報告. 2号. 183-199 (2000)
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[Publications] Yamamoto,Matori: "The Meaning of the Samoan Way of Life in the United States."Journal of International Economic Studies.. No.15. 53-64 (2001)
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[Publications] Yamamoto,Matori: "Polynesian Identity in the Multi-Cultural Contexts."New Pacific Review. no.1. in press (2001)
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[Publications] 船曳建夫: "身体の文化人類学〜ダンスが作るからだと世界〜"西山賢一編『生命の知恵・ビジネスの知恵』丸善ブックライブラリー. 145-174 (2000)
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[Publications] 豊田由貴夫: "メラネシア・ピジンと植民地主義"吉岡政徳・林勲男編『オセアニア近代史の人類学的研究』国立民族学博物館研究報告. 別冊21巻. 151-173 (2000)
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[Publications] 豊田由貴夫: "メラネシア史"山本真鳥編『オセアニア史』山川出版社. 221-262 (2000)
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[Publications] 棚橋訓: "文化人類学における体験知の思考と地域研究の困難"CASニューズレター(慶應義塾大学地域研究センター). 100号. 41-43 (2000)
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[Publications] 棚橋訓: "メラネシアの社会運動と「都市の経験」-マアシナ・ルール運動とパリアウ運動の検討から"熊谷圭知,塩田光喜編『都市の誕生-太平洋島嶼諸国の都市化と社会変容』日本貿易振興会アジア経済研究所. 157-182 (2000)
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[Publications] 橋本裕之: "民俗芸能の再創造と再想像-民俗芸能に係る行政の多様化を通して-"香月洋一郎,赤田光男編『講座日本の民俗学』10(民俗研究の課題)雄山閣出版、. 69-80 (2000)
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[Publications] 橋本裕之: "鬼が演じる祭礼芸能-『大江山絵詞』雑感-"小松和彦編『怪異の民俗学 4(鬼)』、河出書房新社. 4. 425-433 (2000)
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[Publications] 荒山正彦,関戸明子,福田珠己,安井眞奈美(共著): "特集・観光をあるく-田園・遺産・記憶(座談会)"『地理』古今書院. 541号. 16-39 (2000)
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[Publications] 安井眞奈美: "「ニューカレドニア太平洋芸術祭見聞記-ミクロネシア連邦9人のパフォーマンス」"『古事』天理大学考古学研究室. 5号(印刷中). (2000)
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[Publications] 山本真鳥 編著: "『オセアニア史』(新版世界各国史27)、なお本人の執筆は、「まえがき」pp.i-v,「序章オセアニア世界」pp.3-16,「第6章ポリネシア史」pp.263-313."東京:山川出版社. 378+37+viii (2000)
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[Publications] 船曳建夫 著: "快速リーディング 柳田国男"筑摩書房. 158 (2000)
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[Publications] 成田龍一,藤井淑禎,安井眞奈美,内田隆三,岩田重則著: "『故郷の喪失と再生』(安井眞奈美担当部分は、「消費される『ふるさと』」pp.91〜132)"青弓社. 225 (2000)